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隠れカニバリズムが親友を喰おうとして逆に喰われる(性的な意味で)

「お前、また見てるぞ」
「…えっ?!あ、…悪い悪い、つい…」

声をかけられてようやく我に帰った俺は、慌てて勝久の指から視線を逸らして
ごまかすように笑った。その様子に、勝久は眉間に皺を寄せてため息をついた。

「お前なあ、別にこんな手くらい見られたって減るもんじゃないが、トリップしてるだろ。
佐紀が話しかけても返事しやしないし、アイツ呆れて帰ってったぞ?」
「あれ?そういやさっきまでみんなおったのに…どうしたんや?」
「どうしたじゃないだろ!」

バン!と机を叩く音にびくりと肩をすくめて周りを見渡す。ここはマイコン(設立当時に
付けられた名前がそのまま残っている)研究同好会のクラブハウスで、6人がけの会議用
テーブルに先程まで4人で腰掛けていたはずだが、今は勝久と俺のふたりっきりだ。

「いきなり怒りなやもー、机なんか叩いたら大事な手ぇが痛んでまうやろ」
「手なんでどうでもいいんだ!」
「よくないわ!そんな粗末にするんやったら俺にくれ俺に!」
「こらっ手を握りしめながらバカな事を言うなこのバカ!!」

勝久の手は綺麗だ。
男の手に綺麗もなにもないと俺も思ってたけど、薄い手のひらに、節くれ立ってはいるが
まっすぐ伸びた長い指。爪も大きく健康的なピンク色だ。その中で、右手中指の第一関節
だけが少し曲がっている。小さい頃から小説を描くのが趣味で、いつもペンを持っていた
勝久の指は、気がついたらペンの収まりがいいようにか曲がっていた。
俺は、その曲がった中指を愛していた。

綺麗な手の、ひとつだけ曲がった指。
あの指を、口に含んだらどんな感じだろう。
第二関節から切り落として、舌に乗せる。咬まないように舌を丸めて喉へ送る。まっすぐな
器官を、勝久の指が進み落ちていくと、曲がった指先が食堂の内壁をくすぐるように掠り、
胃にぽとりと落ちる。胃液で溶かされた指は腸に送られ、やがて勝久が俺の体中に巡るのだ。
その感覚を想像するだけで俺は射精してしまった事もあった。


そんな訳で、俺は勝久の指を愛しているのだが、愛するがあまり凝視してしまう事が多く、
気がつくと怒らせてしまっている。いまもまさにそうだ。

「もー大事にせえいうてるやろ!お前だけの手えとちゃうんやで!」
「俺の手は俺だけのものだこの大バカ野郎!」
「お前の物は俺の物、俺の物は俺のものや!」
「列に並ぶ時はいつも腰に手を当ててた奴がジャイアンを気取るな!!」

勝久の腕にしがみつくようにしている二人の喧嘩は、旗から見たらさぞ滑稽な体勢に違いない。
しばらく罵り合った後、俺たちは疲れきって床に座り込んだ

「…お前は、俺の手にしか興味がないのか」
ふと聞こえた声に顔を上げると、なぜか勝久が真顔で俺を見てた。
「そんなことあれへんよ。せやけど…」
床に置かれた手に視線を向けると、やはり綺麗な勝久の手があった。
力を入れた後だからか、血管が浮き出してごつごつした感じがまた野性的な感じで
エロさを増していて、俺の目は奪われる。

「ほんまキレイな手ぇやし、…ゆび、とか…まっすぐで…」

勝久の右手を優しく持ち上げると、手を通して動揺したのが伝わってきた。
それにもかまわず俺はうっとりと勝久の指を親指の腹で順番に撫でる。

「せやのに…これだけな、ちょっと曲がってんの……中指な、これかわいい…
 どうしても俺のもんにしたいくらい、…かわいい…」

撫でていた指を中指の先で止めると、無意識に唇を寄せた。骨張って固い、
でもすべらかな指の感触を、柔らかい唇で感じる。

「お、おい…お前、な…にして……」

びくりと震えた指に愛しさを増して、指先を唇に含む。舌を丸めて…そう、
想像していたみたいに、喉の奥へ誘い込むように深く銜えると、当然だが
手のひらに繋がっているので、飲み込む事はかなわない。その違和感につい指に歯を立てると、
「痛ッ…!」という声と同時に、俺ははっと我に返った。

「えあ…!?あ、あれ?いや、すまん!冗談やってじょうだ…!?」

さすがに友人の指を食いたいと思っているのはまずい事は分かっているので、
笑って誤摩化そうとした俺は、強く腕を引かれて床に引きずり倒されていた。
多い被さる勝久の顔が、見た事もないくらいの恐ろしい顔になっていた。

「な、なんや、そんな怖い顔しなや、別に食おうとか思ってたわけやないて…」
「……そんなに俺の指が欲しいなら」
「ん?」
「好きなだけやる」

なにかツッコミを返そうと思った俺の口は、勝久の唇に塞がれていた。


そっからの記憶はあんまりないんやけどね。
どうやら俺は勝久にハメられちゃったらしい。
しかしどうも勝久のチ○コより、指で弄られた時の方がイきまくってたらしくて、
気ィついたらなんや自己嫌悪と自信喪失とかなんとか言ってガックリと肩を落としてたわ。

でも俺はその勝久の背中を見て、指以外もかわいいやつ、と思った。
いつか、勝久を全部……ん?でも食うたらなくなってまうしな、それはあかん。
好物は最後に取っておくもんやからね、と満足した俺は、疲れたのでとりあえず寝る事にした。