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運動部対文化部

「申し上げます!」
「どうした副キャプテン」
「野球部が、陥落しました!」
「なん…だと…?」
「スタンドの応援席で短調の曲ばかりを演奏されたとのことです!」
「おのれ、吹奏楽部め…!小ざかしい真似を」
「いかがしましょう」
「卓球部の様子はどうだ。出撃はできそうなのか」
「それが……手品同好会にピンポン玉を奪われ、今は素振りしか出来ないと…」
「何?奴らは同好会まで参加させているのか」
「はっ。どうやらそのようで」
「サッカー部はどうした。我が連合のエースは」
「そ、それが……その」
「どうした副キャプテン。何かあるなら報告しろ」
「実は、サッカー部も、戦意を喪失してしまい…」
「なんだと!?」
「サッカーボールの白い部分を全て黒く塗られたそうで……おそらく、書道部の仕業です」
「なんということを……奴らに道具を愛する心は無いのか!」
「いえ…おそらく、こちらが料理部の冷蔵庫を食いつくした件の報復かと」
「くっ、食い物の恨みか…! バスケ部は?」
「ゴールネットを手芸部に縫い合わされてしまい」
「そうか。……こうなれば、アーチェリー部を動かすしかあるまい」
「!? ま、まさかそんな…我が連合で一番の殺傷能力を持つあの集団を、動かすと!?」
「仕方あるまい。グラウンドは園芸部に無力化されている。陸上部は動かせん」
「た、確かに…あんな綺麗に咲いてる花を踏むことはできませんからね…」
「よし、通達だ。アーチェリー部は出撃準備。…矢の先を吸盤にすることを忘れるなと伝えよ」
「ハッ!それでは行って参ります」
「うむ」
『(ぴー、ががが)あーあーあー、テステス。本日は晴天なりー』
「!?」
『やあ、主将。聞いているかな?…って、まあ聞いてるよね。これ全校放送だし』
「この声は……放送部か!」
『えーと、……あ、首相って書いてる。誤字だよ。え、わざとなの?ふーん。文芸部って変なところ拘るねー。
 っと、ごめんごめん。ごほん、えー。主将殿、我が文化部連合総部長より、メッセージがあるのでご連絡します。
 総部長は来れないとのことなので、代理で演劇部に原稿を読んでもらいます。…ほい、こっからね。ヨロシクー』
「……」
『ごきげんよう、主将君。相変わらず大きい声で怒鳴っているのかな?部下を萎縮させないようにしたまえ。君の怒声は怖いからな』
「ふん。大きなお世話だ。お前のネチネチした理詰め攻撃よりはマシだ」
『さて、こうやってメッセージを送るのは他でもない。君のことだ、そろそろ鬼の子を出してくる頃じゃないかと思ってね』
「……やはり、読まれているか」
『悪いことは言わない。やめておけ。もしそちらが鬼の子を起こすというのなら、こちらも相応の手段をとらせてもらう。
 僕と長い付き合いの君のことだ。僕が何を考えているのかわかるだろう?』
「……」
『もしアーチェリー部が動くのなら、こちらは科学部を動かす』
「……」
『それが何を意味するのか、よく考えることだ。…(溜め)…この学校は、灰になるよ?』
「……」
『ほい、以上でーす。それではこれで校内放送を終わりまーす(ぶつっ)』

「………面白い。面白いぞ、総部長!それでこそ我が好敵手。戦局は貴様の読みどおりということか?
 何手先まで読んでいるかは知らんがな、だが部活には魔物が住んでいる。勝負は最後までわからんのだ!!」

後世に“火の七日間”と伝えられる、壮絶な最終決戦の幕が、あげられようとしていた。