メガネ

「伊達メガネ買うかな……」
「どうした? コスプレか?」
「違ぇよ」
「じゃあなんでだよ」
「そりゃあれだよ、ファッションだ」
「だったらメガネより先に靴を買え。
 何だそのあからさまに一葉さんにも届かなさそうな安物オーラ」
「うっせえよ」
「小物つけときゃおしゃれなんじゃねーよ。
 必須アイテムに凝るのが本物のおしゃれだ」
「まあそうなんだろうけどさ」
「だからメガネは却下」
「やだ。俺はメガネがいい」
「だめ」
「やだ」
「だからなんでだ」
「何ででも」
「馬鹿だろお前」
「じゃあなんでお前はメガネに反対するのさ。
 自分だってメガネのくせに」
「コンタクトは無理だって医者に言われたんだよ。
 俺だってメガネよりコンタクトしたいのに」
「……お前、コンタクト好きなの?」
「だってメガネだとフレームで視界の一部分が隠れるだろ。
 それがやなんだ」
「ふーん」
「お前うらやましいよなー。裸眼で1.5とか」
「ふふん、どうだ敬え」
「よーしよしいい子でちゅねー」
「……敬ってねーだろ」
「気のせいだ」
「どーだか。まあいいか、買い物いかね?」
「メガネ屋にはいかないからな」
「いいや。靴屋」


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最終更新:2013年08月08日 22:58