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美形顔×平凡顔

「ねえねえ、メアド教えてよ」
といっても俺のじゃない。こう聞かれた時は大抵あいつのだ。俺の聞かれた事なんて一度もねえよ畜生。
「直接聞けばいいだろ」と言うと、
「えー…だってなんか緊張するしさぁ」
「何しゃべっていいか分からなくなっちゃうもんね」
と、その子たちは口を尖らせる。
気持ちはわかる。あいつは無駄にイケメンてやつだ。
新人モデルです、某J事務所にいます、と触れ回っても疑われなさそうなレベルの顔を持ってる野郎だ。
しかもなまじ外ヅラいいから質が悪い。……俺はひとつ溜息をついて切り出す。
「あいつはマジでやめとけ。彼女になったら泣くぞ。例えば」

寝起き悪いまま家中徘徊して、必ず皿やらコップやら割る。
財布を忘れたと家に戻ってきて、代わりに定期入れを忘れていく。
お魚くわえたドラネコ追っかけて帰ってこない。そのうち道に迷ったと涙声で電話がかかってくる。
酒飲むと全裸で踊り出す。そのままぶっ潰れて翌朝風邪を引く。
暇なときに腹出してへそほじり出す。ほじりすぎて汁出してパニックになる。
風呂で溺れる。人工呼吸してやると照れる。なんでだよ。
寒いと言って俺の布団に潜り込んでくる。そのままひっついて離れようとしない。
抱きしめられて苦しいって言ってんのに離しやがらない。
んでそのまんま至近距離で爆睡するから俺が眠れない。

「な?絶対後悔するから」
「嘘だー!!」
経験則に基づいての本気のアドバイスなんだけど、これ聞いて信じてくれた子は、今のところひとりもいない。
そして俺は「絶対嫉妬してんだよ」「地味だもんね」と陰口言われるわけだよ。慣れたけど。