戦闘用アンドロイド×セクサロイド
私は戦うために作られたモノ。優しさ感情、そんなものはあるはずも無い。
僕は人の欲望を満たすために作られたモノ。愛しさ感情、そんなものはあるはずも無い。
だけど何故。
だけど何故。
目の前のモノを破壊したく無いのだろう。
目の前のモノに触れてみたいと思うのだろう。
訳が分からなくなって、私はぎこちなく笑ってしまった。笑う機能は私には無いのに。
非常に変だ。CPUの大事な部分が故障したのかもしれない。
訳が分からないけど、僕もぎこちなく笑い返してしまった。いつもは完璧な笑顔を作れるのに。
非常に変だ。CPUの大事な部分が破損したのかもしれない。
そうか、壊れているのだ。
そう、壊れているから僕達は先ほどから変なのだ。
ゆる、と私よりも細いアームが、私の腰に触れて。
ぐい、と僕よりも筋肉のついたアームが、僕の腰に回される。
「あなたは、何者ですか」
「君は、誰?」
そう同時に問いかけて。
人ではない二体のモノが、今、不思議そうに触れ合った。
最終更新:2009年04月04日 17:13