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ひよこ鑑定士。

その養鶏場を訪れた者はまずそのあるじ家族の容姿に驚き、さらにその特殊技術に慄くこととなる。

「あんまじぃーッと見らんでくれん?恥ずかしいけん…」
そう言いながらも耕治の手は止まることなくひよこを選別していく。
畜舎の角に設えられたひよこの選別スペースでせっせと働く耕治は、
まるで鄙びた南国の田舎には似合わない人形のような美しさを備えていた。
それには理由がある。
耕治の親父さんは、昭和55年度全日本初生雛雌雄鑑別選手権大会優勝選手…つまり
ひよこ鑑定士の日本大会で優勝し、農林水産大臣賞を授与されたのちに、ベルギーへ派遣されていた。
そこで、美しい奥さんと結婚し耕治とその兄の耕一さんが生まれたわけだ。
簡単に言うと、ベルギー人とのハーフだから耕一さんも耕治も日本人離れした容姿をしているわけだ。

耕治の、赤茶色のサラサラした髪に、ガラス玉のような目と白い肌。
耕一さんの、東洋人とは異質の長くすらりとした手足。
畜産の臭いが充満してコケコケぴよぴよ鳴き声が響く養鶏場も、彼らが佇んでいると
なにやら映画の世界に紛れ込んだようなそんな感覚に陥ってしまう。
しかし、彼らとその美しい母親は口を開くと。

「コージぃ、今日はその辺にしとかんね。せっかく年くんが遊びに来てくれとんしゃーっちゃけん」
「はぁい!」
見事な訛りで喋るのだ。
仕方がない、親父さんはここ南国の出だから、日本語イコールここの方言なのだ。
「年?」
立ち上がり、作業服代わりのツナギの尻をポンポンと叩く仕草ですら可愛らしい。
外から入り込む夕日に赤く火照った白い肌はうつくしく燃えている。
「あ、ああワリィ、ボーっとしとった」
ヒヨコをケージに移し替え、養鶏場をざっと清掃し、夕飯の匂いのする母屋へと向かう。
不意に、年はぎゅっと耕治の手を掴んだ。
「ひゃっ!」
甲高い悲鳴を上げた耕治に構わず、ゆっくりと恋人繋ぎへと手を持ち替える。
「っつ…、やめっ」
俯いた耕治の耳は真っ赤になっている。

ひよこ鑑定には、非常にデリケートな指先の感覚を要する。
科学では解明できないレベルにまで到達するその触覚には、想像を絶するものがある。

「ん…、や、あ、そこ、ばっか」
おいしく夕飯をいただき、耕治の部屋で年はさらに次男をおいしくいただいてた。
ベッドの横には先ほど夜食に差し入れされたベルギーワッフル、と山盛りのホイップクリーム。
「あたしの故郷では、固焼きのゴーフル(ワッフル)にたっぷりのホイップが定番なんよ」とは、おばさんの談。
年はホイップを指ですくい取り、耕治の掌に落して舌で舐めとっていく。
逃げようとする耕治の上にのしかかり、執拗に指を一本一本舐めとり指の股を甘噛みする。
たまに唇を離し上目づかいに耕治を窺うと、顔を真っ赤に上気させ荒い息を吐いている。
「…も、やだぁ…」
「手だけでイけるか試してみん?」
小指を緩く噛んで上目遣いで、年は意地悪く笑う。
「そんな…ぁ…いじわる…キライ…ばか…」
耕治の透明な瞳の縁にみるみる涙が盛り上がり、つうと頬を伝った。
「ごめん、やりすぎた」
年は手から手頸、腕から首へと順にキスしながら頬に残る滴を舐めとり華奢な体を抱きしめ赤い耳元にごめんと囁く。
「んと、に…反省しと…ぅ…?」
「しとう、やけん、謝りよう。その証に、今日は耕治をいっぱい気持ち良くさせちゃあけん」
「へ…、や、そんなせんでいいけん、ふつうに!ね?」
ばったばった暴れる耕治を改めてベッドにうつ伏せに組み敷き、腰を高く上げさせる。
手早く彼の後孔にホイップを塗りつけ、ぬるりと舐めあげる。
「き…もちわるぃ…!そんなとこ…非常識!」
「なん、耕治はいっつもヒヨコの尻見ようやん」
「俺はにんげ……んっ」
初めはあまりの行為と初めて感じる奇妙な感触に恐々としていた耕治も、奥を穿つことなく周囲や浅い部分を舐めるもどかしい愛撫に陥落していった。
年が手を放しても腰を高く上げた恥ずかしい体制を崩さずに、舌で穿たれるままになっていた。
「………、ぁ、も…、許し…ィ」
尻にちゅっとキスをして舌が遠のくと、銜えこんでいたものを喪失した下半身がねだるように揺れた。
「スッゲーエロい、耕治…」
そんな痴態を見て年の理性が持つはずもなく、窮屈な寝巻きと下着を脱ぎ棄て耕治を後ろから抱き締める。
自分とはちょっと違う獣っぽい体臭を吸い込むと興奮がいや増し、一気に耕治を貫く。
「…っ…いたあ…」
いつまでたっても、やっぱり挿れるときは痛いらしい。
気を散らすために、シーツを握りしめている手を上から握りこんで緩く刺激してやる。
「……あ、っああああ」
手に意識が行っているうちに、年は深く腰を進める。
「ふ…、すげ、ぎちぎちやん」
「…なんか、へん…!こんなの…っ」
そういやバックでするのは初めてだったなと思いつつ、いつもより大きく快感に揺れる耕治の体をぐりっと深く奥を抉ってやる。
「ひぃっ、あ」
ビクンと、大きく揺れる白い体を窺うと触れられることのなかった耕治の性器から白い滴が滴り落ちていた。
「触ってないのに…、バック好き?」
「ぁって、だってぇ…」
囁きながら年が深く抉ると、達したばかりの肢体はびくんと震える。
「それともやっぱり手?」
手の甲にキスを落とすだけでも、内壁はひくひくと反応を返す。

「ぜんぶ…、ぜんぶきもちいいっ―」

『で、なんだ。お前は俺の可愛い弟が寝込むほど犯りまくったわけだ』
翌日。
携帯電話の向こうから響く地を這うような耕一の声に、年は縮こまっていた。耕治が昨晩の無体を彼の兄にチクったのだ。
「あの、耕一さん鑑別師養成所の授業はよろしいんですか」
『だまれぇ!弟と授業っちゃ弟を取るに決まっとろうが!こん阿呆が!!』
大音声に思わずケイタイを投げ捨てそうになる、が耕治のじとっとした視線に負け
もう一度携帯を耳に当てる。
『大体なぁ、きさん(貴様)は俺が名古屋に来たとたん弟に手ぇ出しやがって…
鑑定士の指はなあ、きさんが考えとうよりデリケートで繊細なんやぞ…』

携帯を握りしめ、正座をして何度も虚空にすいませんでしたっ!とお辞儀をする年を見て
耕治は溜飲を下げたのであった。