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飛んでいくよ

「もしもーし、繋がってる?
 あんたが向こう行っちゃったのっていつだっけ。もう随分会ってないよな。
 ……うん。思ってたより、すげー寂しいよ。そりゃちょっとは頑張ろうかとも思ったけどさ、ちょっと無理みてぇ。あんたもさんざん言ってくれたじゃねぇか。俺は甘ったれなんだよ。
 好きだとか、幸せだなんて感じたことねーんだけどさ、やっぱあんたといたときの時間て、特別だった。飯食って飲んで、セックスしたりしてさ。
 あんたがいなくなってからも誰かと寝てみたけど、バカ、おこんなよ。寝てみたけど気持ちよくなかったよ。やっぱあんたって特別。
 だからすげー寂しいの。
 なんかさ、飛行機とか飛んでんじゃん、空。あんたのいるとこめちゃくちゃ遠い気してたんだけど、あれ見てたらけっこー近いかなと思って。
 だから、あんたは迷惑かもしんないけど、俺、やっぱそっち行くことにするわ。
 追い返したりすんなよ。いろいろ考えて決めたんだよ。
 あんたは特別なんだ。だから、飛んでいくよ」







「先輩、ケータイありましたよ」
「おう、壊れてないか?」
「多分。あれ、直前に電話してたみたいっすね」
「かけてみろ」
「はい。……ん、『現在使われておりません』だって。でも発信履歴、こいつの名前ばっか」
「待て、その名前みたことあるぞ」
「俺もっす。えーと、あぁそうだ、去年ここでバイクで事故った被害者っすね。俺初めて担当したやつ」
「……そうか。追っかけたんだな」