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ベビーパウダー

ベビーパウダー萌の私が通りますよ。無邪気にはたきあってもいいし、おかあさんとこどもみたいでもいい!

情事のあと、暗闇の中彼の背中を撫でるとザラリとした感触があった
蒸し風呂のようになっている布団の中、汗みずくの二人
私はもう一度だるい腕を動かし彼の背中や肩を探る
「どうした?」
耳許で低い声がする
「背中…、汗疹ですか?」
彼は営業を生業としているから、ここ一月の蒸し暑さで大量の汗をかいたのだろう
掌にわずかに引っ掛かるその感触を何ともなしに楽しんでいると、顔に口づけが降りてくる
「もう…まだですか?」
「お前が触るから」

「また懐かしい物持ってるな」
翌朝、私はシッカロールを用意して彼の入浴が終わるのを待っていた
「汗疹にはこれが気持ちいいんですよ」
さあ背中を向けてくださいと言うと、彼にしては珍しくやや緊張したようにぎこちなく後ろを向いた
「何緊張してるんです。ただのシッカロールですよ」
「しっ…?ベビーパウダーは苦手なんだ」
「何故です」
言いながらも、パフに薄く粉を取り軽く押さえるように塗っていく
「小さい頃な、おふくろにめいっぱいはたかれて粉だらけにされていたから苦手なんだ、それ」
真っ白になった幼い彼を想像して、思わず笑ってしまう
彼はそんな私を小突いて、でもまだ緊張した面持ちで神妙にしている
「はい、終わりましたよ」
さらさらになった背中を一撫でし、軽く叩く
正面を向き直った彼は、珍しいものを扱う手つきでシッカロールの紙缶に触れた

「俺がお前に落ちたのは、これのせいかもしれないな」
「どうしてです」
「どの女より、懐かしいにおいがした。それがお前に興味を持った切っ掛けだから」