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旅先で偶然

まさか、やっと取れた有給で行った久しぶりの旅行先で、あいつに会うなんて。
あいつに最後に会ったのはちょうど5年前。
今日みたいな気持ちのいい青空の下で、俺達は別れた。

あんなに好きだったのに、終わるのは一瞬だった。
きっかけは些細なミス。
部屋の鍵を掛け忘れたせいで、抱き合ってる姿を親に見られてしまった。

それからは、あっという間。俺達は引き離された。
5年間は長い。いろんなことを考えた。
親の眼を盗んで連絡を取ることだって、
いっそのこと駆け落ちすることだってやろうと思えば出来たはずだ。
でも、俺達はそうしなかった。
そんな勇気はなかった。
その程度の気持ちだったんだと思いはじめていた。

その矢先に、あいつと偶然再会した。

「偶然じゃねえよ。こういうのを運命って言うんだ。」

まだ、俺達が付き合う前。
お互い転勤族の親のせいで、何度も転校させられてた。
初めて出会ったのは、幼稚園の入園式。
卒園を待たずに引っ越したあいつと次に会ったのは、リトルリーグの遠征試合。
その次は、中学時代短期間だけ在籍した塾の夏合宿。
そして2人とも、高校の時に地元に戻ってきたんだ。
今でもはっきり覚えてる。偶然ってすごいなって笑ってたあいつに返した言葉。

「偶然じゃないよ。こういうのを運命って言うんだよ。」

あんな遠まわしな告白の言葉に気付いてもらえるなんて思わなかったけど。
あの日からその偶然は、俺達にとっては運命になった。


俺達、やり直せるのかな?
もう1度、運命だと思っていいのかな?

返事の言葉もちゃんと覚えてる。

(そっか。じゃあ、俺はお前を好きなる運命だったんだな。)
「そっか。じゃあ、俺はあなたを好きになる運命だったんだね。」