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君が代

「君が代、俺すごい好き」
床に座り込んで、せんべい食いながらの、奴の台詞。
目の前のテレビの画面では、学校行事で国旗の掲揚と国歌斉唱をするのしないのと教師が角つき合わせている。
「僕は嫌い。難しくて歌いにくい」
サッカーの国際試合とか見てみろ。プロの歌手が歌ったってなかなか上手く歌えてない。
あんな難しい歌を歌わせるなと言いたい。
それに、あれって天皇を褒め称えた歌じゃないか。
戦争に使った歌だ。

そう言ったら、奴はせんべいを口に銜えてクスリと笑った。

ラブソングなんだよ。と。

「え? 」
「だからね、本当は君が代はラブソングなんだよ。
『君が代』の『君』は妻のこと。
愛しい我が妻よ、いつまでもあなたと共に生きていこう。
って、そういう歌なんだ。本当は」
歌詞の意味はうろ覚えなんだけどさ、って笑う。

君が代がラブソング?

ピンと来ない。考え込んでいたら、せんべい食い終わった奴が、僕の目の前に移動して来た。
うるさいテレビは、奴の放り出したリモコンでとっくに沈黙している。

「ねぇ、俺も愛しい君とこけのむすまで? 」
色っぽい顔して聞くな。日本の国歌をエロい歌にするな。

でも、近づいてくる悪戯な顔が、アップになりすぎて見えなくなる頃には。
岩じゃないから苔は生えないけど、白髪の爺さんになるくらいまでなら、
千代に八千代に、一緒にいてやらないでもないかな?なんて、しょうもないこと考えてた。

まぁ絶対奴には内緒だけれども。

千代に八千代に。こけのむすまで。
愛しいあなたと共に生きていこう。



  ※『本当はラブソング』というのを、聞いた事があったので書いてみました。
   歌詞の解釈はうろ覚えです。