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ハンター

「決めた!おれハンターになる!」
「はぁ?お前なに言ってんの?」
「今日からおれのこと、"愛の狩人"と呼んでくれ!」
「ぶっ!!」
それなりに真剣だった俺の前で、親友は吹き出した。

「なあなあ、"愛の狩人"」
「…小学生の頃の話だろ。…もう忘れてくれ、頼むから…」
「いや、あれは忘れられないだろ。死ぬほど笑ったもん。」
奴の顔に笑みが浮かんだ。未だに思い出し笑いをこらえられないらしい。
「…ヒーローに憧れる純朴な小学生だったんだよ、俺は。」
「でも何で"愛の狩人"だったわけ?」
「当時かーちゃんが読んでた小説のタイトルに書いてあったんだよ!格好良いなと思っちゃったんだよ、子供心に!」
今でもかーちゃんの愛読書、ハーレクイン。
「あ~、懐かしいな『スーパーハンター・矢雄威』」
「すげぇ流行ったもんな。変身シーンとか、みんな真似たりしてさ。」
「『君のハートをロックオ~ン』」
「おお、似てる似てる!」
「最終的にはヒロインのハートをハンティングして、二人で去っていくんだっけ。」
「そうそう。『狙った獲物は逃がさない!』」
「お前も似てるじゃん。」
「練習したからな。」
「…ところでお前が狙ってた獲物は手に入ったわけ?」
「へ?」
「当時言ってたじゃん、ハンターになりたい理由。"どうしても欲しいものがあるから"って。」
「あ~…まあ、手に入れたっていうか、奪われたっていうか…」
「ふーん、まあいいや。
 ところで、今日うちの親、出張で居ないんだけど、このまま泊まってく?」
「お前ソレ狙ってやがったな!」
「俺と一緒にいるの嫌?」
「…嫌じゃねーけど…」
「今日は痛くしないから」
「!!」

獲物に食われた俺は、多分ハンター失格。