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イカ×タコ

神様は不公平だ。
イカもタコも海の悪魔と呼ばれ同じように恐れられているのに、実は奴と僕には差がある。
今まさに、それを思い知らされていた。
イカの手に僕の五本の手と大事な部分は絡み付かれ抵抗出来なくされているのに、イカにはまだ二本も自由な手があってそれが僕の体をくまなく這い回る。
「離せこのすっとこどっこい!」と悪態をついても、いずれこの唯一動かせる口の中にもイカの手が潜り込んで掻き回されるんだ。
悔しい。
手の本数が違うだけで抵抗出来ないなんて……。

以前、腹が立ってイカの顔に墨を吐いてやった。
でも僕の墨は辺り一面に広がるけど、その分拡散するのも早くて何の役にも立たない。
仕返しとばかりにイカが吐いた墨は粘度があって、目の前を塞がれたように何も見えなくなってしまった。
そのせいで、イカの手の動きを何時もより強く感じてしまった。
歯がゆい。
墨の質だけで抗えなくなるなんて……。

ああ、イカの手の動きが早くなって僕はまた何も考えられなくなっていく。
何か囁いているイカの言葉も、もう聞こえない……。