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一番知られたくないこと

拝啓
中野君、まだまだ寒いですがいかがお過ごしでしょうか。
僕は元気です。いま、北海道にいます。
君は顔もガッカリですが好みもガッカリなので、日本3大ガッカリスポットの時計台の写真を同封します。喜んでくれるかな?

さて、僕がなぜ北海道なんかにいるかというと、面と向かって話す事も出来ない話ですし、この手紙を受け取った君がすぐに僕の元へ訪ねてくる事も出来ないように出来るだけ遠くに行こうと思ったからです。

僕はこれから君に一番知られたくなかったことについて、決心を決めて書こうと思います。

君は、顔は本当に地味で、特徴がなくて、身体つきも中肉中背、黒髪短髪という全くといっていい程個性がないヤロウですね。
親近感が湧くのか知りませんが地味なものやガッカリスポットを好み、友人も似たようなヤツばかりですね。僕を除いて。

その点僕はどうですか。顔もイケメンですし、背も高くていい感じに筋肉もついていますし、比較的派手なものが好きで、友人も老若男女を問わず沢山います。
君は僕のことをナルシストだと言いますが、根拠に基づく自信はあって当然ではないでしょうか?というわけで性格も良く、モテる。

そんな僕が唯一誰にも、そして誰よりも君に一番知られたくないことは、地味で地味で仕方ない君に怒られたり毒を吐かれたりする事が、人生で一番の喜びだという事です。
ああ、書いてしまった。白鳥雄一郎、一生の不覚。

これは恋なんでしょうか?気づきたくなかったですが仕方が無い。僕は潔いの良い男です。イケメンですから。

まあ、そんなわけです。君はきっと恋愛対象も地味な子なのでしょう。イケメンな自分を恨んだのは初めてです。

この手紙を読んだあと僕に会ったら、僕の告白には触れず、「手紙に自分の事イケメンて書き過ぎなんだよ死ね」とか、「俺のこと地味って書くんじゃねぇクソが」とか、いつも通りに言って下さい。

それが、僕が一番愛している君です。

月曜日にはそちらへ戻ります。それではまた、大学で。

白鳥雄一郎