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言葉責め

「……っ!」
「ちょっと、何泣いちゃってるんですか。部下にイジメられるのがそんなに悔しいんですか?」
私に覆いかぶさった狭山の指が、胸の突起を弄ぶ。
あられもない声を上げそうになる唇を必死に噛み締めたが、涙が浮かぶのは止められなかった。
「違う、これは――」
なけなしの理性で以って抗弁すると、
「ああ、そうですよね違いますよね。悔しいんじゃなくて気持ちよすぎるんだ。そうでしょう、しゃ・ちょ・う?」
滲む視界の向こうで、狭山は侮蔑もあらわに嗤った。

「まったく、呆れ返りますよ。社長がまさか男にヒンヒン言わされるのが大好きなマゾ野郎だなんて、思ってもみませんでした」
ため息とともに、ツツ、と脇腹をなぞられる。触覚と聴覚への刺激は私の上で混ざり合い、何倍にも膨れ上がって襲いかかる。
「わかってます? 自分が今どんなみっともない格好でいるか。どんな無様な善がり顔晒してるか。
もしも社員たちがこのザマ見たらどう思うでしょうねぇ」
ま、そんなことは絶対させませんけど、と今度は内腿を舐められ、身体が跳ねる。
「く、うっ……狭、山」
ジリジリと追い詰められて、思わず縋るような声音になってしまった。
触れられてもいない屹立からは、既にだらだらと透明な液があふれている。それをみとめ、狭山はまた嘲笑う。

「はは、相変わらず堪え性のないことですよ……そこらの童貞中学生でもないでしょうに。
そのうち僕に罵られるだけでイッちゃうんじゃないですか、この変態」
吐き捨てる狭山の声には、まぎれもない嗜虐の悦びが宿っていた。

昼間は礼儀正しく爽やかなこの男のサディズムを目覚めさせたのは、ほかならぬ私自身だ。
そして、私が屈服し従属し被虐に溺れる相手は、ただ一人狭山のみだ。
彼の隠された顔を知っているのは自分だけ。互いに抱いたその思いこそが、私の、私たちの快楽を煽るのだ。

「さやま、っ、もう」
いよいよ耐え切れなくなった私は、許しを乞うて喘ぐ。すると、狭山は身を起こし、私を見下して言った。
「――仕方のない人ですね。いいですよ、その情けない顔を見るのもいい加減飽きましたから。さあ、どうして欲しいんです?
せいぜい淫乱らしくお願いしてみてくださいよ、社長」
冷たい熱を孕んだ声に、背筋がゾワリと震える。最後の理性がひび割れ砕けていく音を聞きながら、私は口を開いた。