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「ずっと一緒にいようね」なんて

あいつと過ごして何年目かの夏休み。
ふたりで自転車をこいで目指した遠くの街の花火大会。
何十キロメートルの道のりに脚の筋肉は悲鳴をあげた。
ぷるぷる震えるあいつの脚を指でつついたら怒られた。
ついでにやりかえされて、攻防戦の結果、最終的にふたりで地面に力なく転がっていた。

金がなくてふたりでひとつしか買えなかった夜店のかき氷。
俺はいちごがよくて、あいつはレモンがよくて、お互い譲らずにいたら店のおじさんが半分ずつかけてくれた。
急いで食べたらむせてしまったらしいあいつの背中をしかたなくさすってやった。

何百発、何万発と打ちあがる花火は言葉を失うほどにきれいだった。
でも、となりでばかみたいに口を開きっぱなしにしてるあいつを見た笑えてしまった。

来年も再来年もこいつは、となりでばか面をさらしているだろうか。

「ずっと一緒にいようね」なんてこっぱずかしいこと俺には言えるはずもないから、
とりあえず「来年もチャリこいで花火見にこような」とだけ言った。
そしたらあいつは「やだよ」って、うれしそうに笑った。