※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

たまにはお兄ちゃんって呼んでくれたっていいじゃない

Q 溺愛する弟にカレシができた。どうすればいいか。
A 1.邪魔する 2.邪魔する 3.邪魔する

「…で、その結果弟さんに嫌われたと」
「もうずっとまともに口もきいてくれないんだが……。これがアレか?反抗期ってやつか?」
「いやちがうでしょ、ソレ」
「けど!あいつ何かおかしいんだ。メールも電話も無視されるし、
もしかしたらあの何とかってクソヤローに邪魔されてるのかもしれん」
「フツーに今が兄離れの時期なんじゃないすかね」
「兄離れってお前……!俺に死ねって言ってるのと同じだぞそれ!」
「ハイハイ、つか先輩ちょっと飲みすぎ」
「あー何でこうなったんだろ。昔のあいつはもっと素直で、天使みたいにかわいかったのに。
俺の言うことは何でもきいて、『お兄ちゃん、お兄ちゃん』ってトコトコ俺の後をついてきて」
「先輩それもう500回くらい聞きましたから」
「…………寂しいんだ」
寂しくて寂しくて、苦しくて、辛い。俺はテーブルに突っ伏した。
「わかってる。こんな風に弟に執着する俺は頭がおかしいんだ。
けど、あいつが生まれてから俺はずっと、人生全部あいつのために捧げてきたんだぞ。
恋人との仲をちょっと邪魔することくらい、許してくれたっていいじゃないか……」
「先輩……」
「………たまにはまた、お兄ちゃんって呼んでくれたっていいじゃないか……」
寂しくて寂しくて寂しくて。
泣きたい気分になってると、突っ伏した俺の後頭部に、大きな手のひらがぽんとのせられた。
「『お兄ちゃん』」
……いや、お前じゃねーし。
お前みたいな無駄にデカくて陰気でどうしようもないホモが弟なんて、御免だし。

「……好きです」
苦しそうなその声を、俺はいつも通り、聞かなかったことにした。