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ドMな主に逆調教される従

セックスが苦痛で仕方ない。そう思ったのは初めてだった。
割とあらゆることの敷居は低い方だった。
だから親の借金のカタに使用人にされようと、そこの同い年の坊ちゃんに無理難題言われてコキ使われようと、さして苦痛ではなかった。僕は器用だったから。
外の世界を知らないことにも不満はなかったし、今じゃ顔も忘れた両親のことなどもっとどうでもいい。
そんなことに思いを馳せるより、冬の暖炉に炭をくべたり、夏にクソ坊ちゃんを仰いでいることの方がよほど意味があると思えた。
一生ここで、自分のできる限りのことを果たして生きようと、そう思っていたのに。
先週金曜日、20時17分、旦那様と奥様は会食でお出掛けに。お嬢様は海を飛び越えラムBBQに。
そして借金のカタ系男子である僕の目の前には、どんぶらこどんぶらこと、それは見事な桃に似た、お尻が白く揺れていたのです。

「っあん、春川っ、もっとぶって!」
「うるっさいこのクソガキ!」
嗚呼お父さんお母さん。借金のカタとは、かくも性的なことが付きまとうのでしょうか。お金って高いんですね。
「春川っ、春川ぁ!ねえ背中も、背中もぶってよお!ムチでぶっ」
パァン!
「クソガキにはムチももったいない。平手で十分でしょう」
「春川ぁ!好き、超好きマジたまんないぃっ」
苦痛だ。
吊るされたコイツの体がギシギシと左右に揺れて、それはなんだかうざったい羽虫のようにも見えた。
なんてこった。分不相応にも、友情まがいなものを感じ始めていたのに。
お前とは兄弟みたいなものだからと、その言葉を宝物にしていたのに。
「…クソ、」
「?ねぇもう終わり?俺全然たんないよ、春川、ね……あっ!もしかして!」
「は?」
「放置プレイだぁ、ぁ~、これが噂の放置プレイ…ぁあ…」

うっとりとした眼差しも、この場限りの馬鹿みたいな喋り方も、本当にイライラする。
出来れば今すぐにでも、こいつの右頬と僕の拳をちょっと過激にこんにちはさせたいぐらい。
「春川の放置プレイ……イイか、も゙っ!?っえ゙ほっ、え゙っ」
気付くと拳の代わりなのか、僕の右膝がぶら下がったこいつの体にめり込んでいた。割と酷い感じに。
僕の腿に胃液なのかよくわからないものが飛び散る。旦那様の仕立ててくださったスーツ。
「クソガキ」
自分の呟いたそれがスイッチになるように、僕は彼を痛めつけた。
教えられたとおり、すぐには見つからない胴体ばかりを。
息つく暇も、嬌声を上げる暇もなく。蹴って、殴って、蹴って蹴って殴って。

どうやって部屋に戻ったのか。昨夜のことは夢だったのか。
気付くと自分の部屋にいた。これといった装飾のない部屋。落ち着くつくりだ。

いつものように支度を終え、クソ坊ちゃんを起こし朝食の時間になった。
昨夜の会食は実りの多いものだったらしく、旦那様はいつにもまして上機嫌だった。
「昨日はおつかれさまでした、お父さん」
にこやかに言う坊ちゃんを見ると、珍しく自ら野菜を口にした。
そうして昔に教えたように、野菜、肉、野菜野菜肉。
僕の視線に気付いたのか、坊ちゃんが、ニヤリと笑って呟いた。
「今朝のボクは機嫌がいいからな、見てろ、野菜も平気なんだ」
野菜、野菜、野菜、肉野菜肉。
蹴って、蹴って、蹴って、殴って蹴って殴って。
「お父さん、今夜はご予定は?」
「今夜も母さんと出掛けるよ。春川に迷惑をかけるなよ」
「わかってますよ、お気をつけて」
「春川、よろしく頼むぞ」
「はい、もちろん…」
ギクリとしながら横目で見た。
肉、野菜野菜、肉肉肉肉。
肉、肉。
「坊ちゃん、野菜も召し上がってください」
「ん?食うよ、お前が言うならな」