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似た者同士

「ラブレター。健二宛だったぞ。」
俺は封の空いた手紙を健二に差し出した。
「中を見たんですか?」
健二は怪訝そうに手紙を受け取ると、俺を睨みつけた。
「仕方がないだろ。下駄箱に入ってたんだから。
ちゃんと宛名は佐藤君へって書いてあるし。」
同じ苗字なんだ。
俺は悪くない。
恨むなら、俺では無くうっかり者の差出人を恨むべきだ。
「どんな内容だったんですか?」
「それを俺に言わせるのかよ・・・。」
俺は溜息をつくと手紙の内容を羅列した。
いつもあなたの姿を見ていましたとか、
サッカーをしている姿が素敵!とか、
頭が良くてかっこいいとか
いつも優しい所が好きですとか
そんな内容だったと思う。
「それなら、浩二にも当てはまるじゃないですか。」
「俺は健二みたいに成績良くないけど。」
「買いかぶりすぎです。僕は浩二みたいに頭の回転が早い訳じゃない。」
そっちが聞いてきた癖に随分とそっけない。
確かに俺と健二とは部活も一緒な訳だが。
「例えそれが僕宛であったとしても、封を開けた手紙を渡すなんて、嫌がらせにしか思えないんですけど。」
そう言うと健二は受け取った手紙の中身を見る事も無く破り捨てた。
普段は物腰丁寧なのに、時折見せる容赦無く切り捨てる様は見た目に反して薄情な奴だと思う。
しかしながらそんな健二の本質を俺だけに見せてくれていると思うと、笑みがこみ上げてくる。
「何を笑っているんですか。気持ち悪い。」
「いいや、健二って性格悪いなって思って。」
「お互い様でしょう。」