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大好きだからさようなら

「俺は好きだよ、うん、好きなんだけどさ」
ぎくりとして振り返ると、俺が好意を寄せている男がぼんやりと呟いていた。
その目は妙に真面目で、俺は意味もわからないままドキドキしてしまった。
「大好きなんだよ」
そう言うと同時に目が合って、思わず目を見開いてしまう。大好きとは、どういう…
「本当に大好き。大好きだから」
間違いなく俺を見て言っている。ということは、その、俺のことが…ということか?
だったら俺は拒まないし拒むわけがなくむしろ大歓迎というかその、
「でもだからこそ…さよならしようと思うんだ」
…え?
「さよならした方がさ、いいんだよ。絶対。」
ちょちょちょちょっと待て、それは一体どういうことなんだ。どうしてそうなる。
俺はずっとお前のことが好きでだな、それでお前も俺のことが好きで、それでいいだろ。
「…どうして、そうなる?」
体の震えを抑えながらやっとのことで訊くと、そいつは唇を尖らせて、だってさ、と呟いた。
「ためにならないよ。俺のために。だって甘いんだもん」
甘いって、そりゃあ俺はお前に甘い自覚はあるが、表に出さないようにしてきたのに。
「だから今日限りでさよならだよ。俺も子供じゃないんだしさ」
そんなのはないだろう。ずっと一緒にいたのに、さよならなんて。
心が勝手に騒いで、気付けば俺はそいつを抱きしめていた。

好きだとかさよならだとかいう一連の言葉が大好物の苺ショートを指してのものだと俺が知るのは、もう少し先になる。