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宇宙人

明るくて口数の多いあなたなのに愛してるとは言わないね
だから僕も言わないよ。あなたの負担になったら生きていけないから。
過酷な運命のあなただから、辛い事ばかりの中で
いつしか人を愛するのが怖くなったんだよね?
僕と居て少しは気が休まった?

この星を異星人から守るために戦う僕たちのためにあなたはやって来た。
誰ひとり知り合いも居ない星で、非情な決断もしなくちゃならないし
誰にも分かってもらえない孤独を抱えて眠る事も忘れていたあなた……。

あぁでも最近は眠る事も増えてきたね。
真夜中に目を覚ましてあなたの寝顔を見るのが
今の僕の楽しみなんだって、あなたは知ってる?

いつ命を落としてもおかしくない戦場で、僕は長生きできないと思う。
でも、そんな事に関係なくあなたはいつか生まれた星へ帰ってしまう。
あなたが去るのが先か、僕が死ぬのが先か……。
答えが出ないものを考えこんでいても仕方が無いね。
一度くらいは言われてみたかったな……。

あなたは愛してると言ってくれない。僕も言わない。
愛してるのかわりに僕はあなたの名前を呼ぶよ
ジョン……


誠実で口数の少ない君。俺に何も求めない君。
『俺の居場所はここだ』何度言っても信じない君。
『いつかあなたは去ってしまう』そう涙ぐむ君。

生まれた星に帰る事より、このままここで君と居る事が唯一の望みだと
どう言えば君は信じてくれる?
君は俺をいつも崇めてくれるね。まるで完全無欠のヒーローのように。

そのヒーローが、君が居なきゃとっくに逃げ出しているだろうって事、気付いているかい?
戦いの前夜は怖くて震えているって知ってるかい?
悪夢にうなされるのが怖くて眠れなくなった俺が
こうして健やかな寝息をたてて、穏やかな寝顔を見せる君が横に居れば
眠れるようになったって知っているかい?
君が側で支えてくれないと一歩だって前に進めないのを君は……。

殺伐とした戦いの毎日で、いつしか愛の意味を忘れてしまった俺に
人を愛する事を思い出させてくれた君。

君の名を口にする時に籠める俺の想い……
君は気付いているだろうか?
デヴィッド……