※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

女だと思ったら男だった。でもそんなこと知るか!

海岸に多くの群集が集まっていた。群集の視線の先には身分の高そうな若い男性がいた
小さな島が大きな島から攻められた。族長一族はことごとく戦死を遂げた
唯一人の生残りが族長の末の息子の十七歳の少年だった
その容姿が島に群生する白ハイビスカスに例えられるような美貌を誇った
少年には手足に枷をはめられている。そして、そばに居た兵士に樽の中へと押し込められた
群集から悲鳴に近い叫び声があがった。樽は封印され、そのまま海に流された

若い二人の男が砂浜を歩いていた焼けた肌にふんどし状の下着一枚
動物の牙をつなぎ合わせた首飾りをし、耳にも大きな飾りを付けている
「ふふん♪ ふんふんふーん♪ 今日もオレ様は元気いっぱいだぜー♪」
「・・・」
「あばんばんばんばんばーん♪ 大好物はイナゴでーす♪ ネズミ肉も大好きー♪」
「見回りのときくらい黙ってられないのか」
「そんなこと言ったって、オレは喋ってないと死んじゃうから仕方ねーだろ」
「せめて歌詞に意味がある鼻歌を歌ってくれ」
よく喋る男は身の丈六尺ほどありそうな大男。髪はやや乱暴に伸び、顎がやや出っ張っている
もう一人の男は大男より六寸ほど背が低い。髪の毛は整えられ、理知的な顔立ちをしている
ここは大きな島だった。住人たちが島と認識できないほどの面積を誇っていた
そして島の中でいくつもの部族に別れ激しく争っていた。二人の男は特に戦闘的な性格の部族の構成員だった
砂浜は鬱蒼とした森に面しており、二人の所属する部族専用の漁場のようになっていた
「こないだはでっかい鮫が打ち上げられていたなあ。旨かったなあ」
「あれは久々のご馳走だったな」
「今度は大きな亀とか鯨でも打ち上げられていねーかな。なんてな・・・およっ?」
浜辺に人が打ち上げられていた

「うおおおお。死体だ。死体」
二人は慌てて水死体らしきものを確認しに近づいた。水死体は二人が見たことない服を身に着けていた
どうも異国の人間のようだ。年は十代後半くらいだろうか
仰向けに倒れていた水死体の顔を見て、大男は残念そうに言った
「かわいい子だなあ。もったいないなあ。どういう出自か知らないが嫁にしたかったなあ・・・うん」
大男は突然、水死体に顔を近づけクンクンと臭いを嗅ぎ始めた
「またお前は変態じみた真似を始めおって」
「・・・死臭がしないぞ。こりゃ生きている。気を失っているだけだ」
「何? それは大変だ!」
小さな男は懐から竹筒を取り出し、それを水死体ならぬ人事不省体の鼻に押し付けた
「・・・うっ・・・うーん」
「おい、しっかりしろ」
「・・・はっ、ここは?」
「うへー、生きてて良かった」
「ここは我らが部族の縄張りの浜辺だ。そなたは気絶して打ち上げられていた」
「・・・」
「かわいいな。決めた。オレの嫁になってくれ」
「えっ?」
「決めた。絶対に決めた。お前はオレの嫁だ。絶対に幸せにする」
「あ、あ、あのー・・・」
「いきなりこんな野蛮人から言われてもびっくりするよな。ごめんな。でも惚れた。すげー惚れた」

「この美人さんが言いにくそうだから、代わりに言ってやろう。この人は男だ」
「は?」
「この人は男だ」
「えええええ! そんなわけねーだろ! こんな美人さんなのに」
「いや・・・その・・・男です」
「二人してオレを騙そうとしたって、そうは行かねえぞ」
元水死体の少年は黙って大男の手を取ると自分の股間を触らせた
「・・・・・!」
「これで納得して貰えましたか?」
ショックだったのか大男は無言に座り込んでしまった
「さてと。とりあえずオレたちの集落に来てもらおうか。こちらとしてもアンタの素性が分からないしな」
「私は全てを失くした身ですから。もうどうとでもして下さい」
小さな男に促されて少年は立ち上がった。小さな男は大男の尻に蹴りを入れた
「いつまでヘコんでいるんだ。村に戻るぞ。とっとと立て」
大男は立ち上がると突然、大声で叫んだ!
「男でも構うもんかー! こんな美人さんを前にして大人しくしてられるかー!」
そして少年の手を握って求婚をした
「アンタが何者なのかもよく分からないけど、一目惚れだ。一緒になってくれ」
「・・・・・」
その瞬間に小さな男の飛び蹴りが大男に炸裂した。大男はノビてしまった
「さてと。このアホは放置して行くことにしよう」
「はい」
しばらくして大男は目を覚ました。誰も居なくなった浜辺に大男の絶叫が響き渡った
「ちっくしょー! 必ずあの美人さんはオレのものにすんぞー!」
大男は猛烈な勢いで走って村へと戻って行った