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眼鏡白衣×ガテンのおっさん

『今日の21時、空いてます』
最後は[。]か、はたまた[?]かはっきりさせずにメールを送る。今はちょうど昼の休憩時間だろうから、携帯くらい弄ってるはずだ。
最近の機械は苦手だと言う癖に、携帯もパソコンも難なく使用していることくらい承知済みだったりする。
証拠に彼からの返信がすぐに来た。
『暇だったら行く』
暇じゃなくても来いと散々言っているのに自分から来たことは一度もない。俺にしてみれば週3でも足りないくらいだ。
しかし、今日のところはこちらに顔を出してくれるようだ。
携帯の電源を切り受付に向かう。
「ひなちゃん、21時に一件入ったから」
うちの事務兼受付嬢に声をかけたらあからさまに嫌な顔を見せてきた。
「受付時間終わってますよ?誰ですか?」
「いつもの熊さん」
熊と言うと彼は怒るが、これが一番通じるのだ。
「あぁ、田所さん。院長また誘ったんですか?」
「毎日だって会いたいくらいだからね」
眼鏡を外し、ウインクをすれば呆れた様子を見せる彼女。しかし先ほどのように嫌悪感を露にすることはない。
「また変なこと言ってると、嫌われますよ」
そう言いながら受付表の欄外に田所の名前を書いて、レジの鍵を閉めた。
「二人っきりでゆっくりしてくださいね。院長、田所さんの体大好きだから」
帰り支度を始めた彼女の言葉に他意はない。知らない人が聞けばドキッとするような、僕の職業病的な趣味を知る人が聞けば呆れるような。
そして彼が聞けば赤面するような。

明かりがほぼ消えた治療院に彼が来る。
「こんばんは。とりあえずベッドに横になって体をほぐしましょう」
手始めに仕事で疲れた彼の体を癒すとしよう。
秋の夜長だ、それからでも遅くはない。