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農民受け

書かれていた文字は「農民」だった・・・オレは絶望した・・・
ここはダーマの転職樹という場所だ。樹齢十万年と言われる巨大な木の根元にある小さな祠がこの世界で唯一つの転職が行える施設だ
この世界の転職システムは自分が希望する職に就くことは不可能だ。全て転職樹の思し召し次第だ
転職希望者は転職樹によじ登って若葉を一枚だけゲットしてくる。それを祠の神官に渡す。神官は呪文を長々と詠唱する
そうすると葉にあぶり出しのように文字が浮かび、転職希望者はそこに書かれていた職業に転職することになる。拒否は不可能だ
転職するとレベルが二十に達するまで再転職は不可能だ。ハズレを引くととてもつらいことになる・・・
オレの幼馴染兼恋人の職歴は華麗だ。最初にいきなり「四元使い」を引き当てた。火水風土の四元属性のスキルを全部覚えられるお得な職業だ
そして次に「黄金騎士」になった。戦士系の上級スキルで金の鎧をまとって戦う。戦士なのに魔法系のスキルも身に付けられる
さらに先月の転職でとうとう「勇者」を引き当てやがった。どんな職業かは言うまでもないな。最高の職業だ
それに比べてオレは・・・最初の職業は「村人」だった。取り得なっしんぐ。得られるスキルは一切なし
次に引いたのは「旅人(小旅行限定)」だった。何それ? 取り合えず「逃げ足」のスキルだけは身に付いた
そして今度こそ! と意気込んで臨んだ今回の転職がこれだ・・・ああ、神は我を見放したのか・・・
せめて回復系スキルが身に付けられる職業になりたかった。そうすればアイツの苦手分野をサポートできる
そして何より・・・自分で腰や尻の痛みを治療できるようになる。最近は酷使しすぎてアイツの要望を断ることも多い。それがとてもつらい
ああ、農民か。宿屋に戻ってアイツになんて報告しようか・・・きっと大笑いするな。アイツはそういうヤツだ
仕方ない。どこかで土地でも借りてトマトとナスとズッキーニでも作って、アイツの好きな野菜トマトパスタのウマいのでも食わせることにするか