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皆既日食


アナ「さあいよいよ、25年ぶり、金環日食のスタートです!」

月「久しぶりだね。ずいぶん待ったよ。」
太陽「前会ったのは3年前か。悪かった。」
月「久しぶりに一つになれるんだね・・・。」
太陽「あいつから見れば、な。」
月「長かった。長かったよ、ねえ。」
太陽「俺はずっと、お前を見てたよ。」
月「・・・うん。あったかかった。」
地球「何で?何であんな奴と・・・!」
地球「ずっと照らしてくれてたじゃないか。こっち向いてくれてたじゃないか!」
地球「向けよ!こっち向けってんだよ!」

アナ「太陽の中央が隠れました。金環日食です!さながら金の指輪のような、・・・。」

月「指輪だって。」
太陽「ああ。」
月「僕たちはそれをはめられないね。僕たちだから。」
太陽「そうだな。」
月「でもいいや。僕たちが指輪なら。」
太陽「俺とお前が一つなら?」
月「うん。」
太陽「俺もだ。」
月「・・・うん。」

アナ「今からゆっくりと、太陽が現れます。」

月「そろそろお別れだね。」
太陽「・・・ああ。」
月「地球から見れば一瞬なんだよね。僕はこんなにも待ってたのに。」
太陽「ああ。」
月「・・・ねえ。」
太陽「ん?」
月「次はいつ、会えるかな。」
太陽「そうだな・・・半年後ぐらいか?ちょっとだけだけど、来るよ。」
月「そっか、結構すぐだね。」
太陽「ああ。」
月「なんか安心した。」
太陽「・・・ああ。」
月「・・・じゃあね。」
太陽「じゃあな。」

アナ「今、月が太陽から離れます・・・!」

太陽「俺さ、もっとでっかくなって、本当にもっとでっかくなって、迎えに行くから。」
月「・・・うん・・・。」
太陽「本当にでっかくなるよ。惑星の一個二個飲めちゃうくらい。」
月「・・・うん。」
太陽「じゃあ・・・また。」

地球「やっと帰ってきた。どこ行ってたんだよ。」
太陽「・・・。」
地球「どうせ月だろ。お前がいなきゃ俺が困るの知ってるくせして。」
太陽「・・・少しの間だったろ。」
地球「その少しの間に何したよ。」
太陽「・・・それは。」
地球「俺に背中向けときゃ全部隠れてるなんて思ったら大間違いだからな。」
地球「どこがいいんだよ。あんな、俺についてくるだけの、俺のおまけみたいな奴。」
地球「もうすぐあいつなんて大したもんじゃなくなる。見とけよ。超えていってやる。」

アナ「さあ、金環日食が終わりました。次の日食は11月14日、今度は皆既日食です。」
アナ「さあ、それではその瞬間を月の裏で見ていた宇宙ステーションから中継です。どうぞ、・・・。」