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ロボット×ヘタレ妖怪

昔々ある樹海に、一匹の弱虫なサトリが住んでいました。
本来サトリとは、他者の本音を漏らさず読みとる力を持ったとても強い妖なのですが、このサトリはどうにも臆病で脆弱な質でしたので、都で人間達の心の真ン中の、真っ黒くて汚い部分を嫌というほどに知ってしまった結果、
すっかり人間という存在に恐れ、そして不信の念を抱き、誰も訪れないような樹海の奥深くで、一匹ひっそりと暮らしていたのでした。
何十年、何百年と変わらない暮らしに変化が訪れたのは、一体何時頃でしょうか。度々、人間がサトリの住む樹海に迷い込むようになり始めました。


彼等は森をやたらに荒らすわけでもなく、ただ適当に居処を定めると、首吊り・服毒・断食とやり方は様々なれど、一様に己で己の命を摘み取るのでした。
それを不思議に思ったサトリが、偶然見つけた一人の死に損ないの心をぱっくりと覗きますと、どうやらこの樹海は、著名な物書きの手によって自決の名所として、随分に名を馳せてしまったらしい、という事がわかりました。
これにはサトリも滅法困ってしまいました。今更別の地に移り住むあてもありませんし、死者の穢れで樹海の纏う神気が汚されるのも、妖にとっては重大な死活問題です。かといって、生者とよろしく対面するのも真っ平御免な訳ですが。


(以下、箇条書き)

取りあえず、森に立ち入った人間を見かけたら姿を隠しつつ相手の心を読んで精神攻撃&山の神の振りして「今直グニ此処ヲ立チ去レ、立ち去ルノダァ!」コンボで追い出すお。

でもやっぱりサトリ一匹の力じゃ樹海警備員の荷は重いお……。

なんか、最近樹海に見慣れない鎧武者がうろついてるんだけど、こいつ全く心が読めないんだお。ATフィールドかお。

でもこいつ、速やかに侵入者を見つけて忠告&捕獲しながら下界にポイしてくれるから嫌いじゃないお。

どうにも鎧武者の事が気になるから、勇気を出して下界までストーキングしてみたお。透明化で。
鎧武者の雇い主の心を読んだところによると、あいつ実は鎧武者じゃなくて遭難&自決者対策の一環として作られた救助用カラクリ人形らしいお。


まぁ、鎧武者(以下カラクリ)とサトリの利害は一致してるし、無口で実直で裏表の無いところがむしろ気に入ったお。二人はプリキュアとして一緒に頑張るお。

(以後、数十年間に渡る妖とロボによるプリティーでキュアキュアな樹海ライフ)

ある大嵐の日、カラクリが落雷に巻き込まれて大破してしまうお。
磁場が強くてレーダーが反応しないから、カラクリの研究所の皆も誰も助けに来てくれないお。
樹海内に来てくれたらサトリの言葉も届くのに……でも、この大嵐の中、来れる訳がないお……カラクリ、嵐が止むまでの辛抱だお……。



(しかし、サトリの願望虚しくカラクリは二十七時間の後、エネルギーを使い果たし完全に活動停止ーーー)

あうう。サトリのせいだお!サトリが弱虫で力の無い妖怪なせいでカラクリを助けられなかったお!あばばばばば!

(サトリの涙と鼻水が豪快にカラクリのパーツ残骸にふりかかった瞬間、カラクリの体が某美女と野獣の野獣の呪いが解ける瞬間的なアレな状態になる)



なんと!カラクリが付喪神として復活したお!
なんか何十年もの間、大事にメンテナンスされ続け、研究所の皆にも大切に思われてたから付喪神になる資質はバッチコイだったらしいお!所員達テラGJ!
しっかし、ちくせう!サトリだって研究所の皆に負けないくらいにカラクリの事が大好きだお!愛してるってばお!

カラクリ「……機械の体の頃は言えなかったけれど、君同様に妖の卷族となり、この身に魂が宿った今なら、感情を伝えられる。……サトリ、私も君の事が好きだ。
こんな若輩者で良ければ、私とつがいになってはくれないだろうか……」

こっちこそ!樹海こもり歴1200年のエリートヒキニートでも良いなら喜んでもらってくれだお!

こうしてふたりは末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたし めでたし。