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お兄ちゃんの彼氏?

 僕達兄弟は年が離れてるけど、とても仲がいいです。
 弟の僕から見ても、お兄ちゃんは綺麗でよく女の人に間違えられています。
 体もそんなに大きくないからかもしれません。
 そのせいか彼女も居ません。
 どうしてと聞くと、女の子はお兄ちゃんをペットのように可愛がるか一緒に歩くのを嫌がるかで、モテないと言ってました。
 でもそれはどうでもいいです。
 とにかく僕は、優しくて家事も得意なお兄ちゃんが大好きです。

 そんなお兄ちゃんのキスシーンを見てしまいました。
 しかも相手は男の人で、僕は二重に驚きました。
 日焼けした体は縦も横もお兄ちゃんより大きくて、良く見えなかったけど顔もまあまあ格好良さそうです。
 すぐにその相手が、最近よく家に来るお兄ちゃんより年上のお友達だと気が付きました。
 その人の太い首にガッチリ両手を回して、嬉しそうにキスしてるお兄ちゃんを見てると、自然に恋人同士って言葉が浮かんできました。
 けど、2人とも男なのに?
 考えても判らないから、思い切ってお兄ちゃんに聞くことにしました。
「何時も遊びに来てるあの大きな人って、お兄ちゃんの彼氏?」
「急に、どうした?」
「キスしてたから」
「あーっ…」
 しまったって顔をしたお兄ちゃんは片手で額を押さえたけど、すぐに真面目な顔でまっすぐ僕を見ながら話し始めました。
「まだ理解出来ないだろうけど、世の中にはいろんな愛があるんだ」
「愛? 大好きってことでしょ」
「そう。ぼく等の絶対変わらないのが兄弟愛。そして、他人だけどずっと一緒にいたいと思う相手が出来るんだ。それが恋愛。普通は男女だけど、ぼくは同性で」
「お兄ちゃん、女の人より男の人が好きなの?」
「違うよ。彼だったから好きになったんだ。性別なんて関係ないんだ」
「?」
 何が違うのか判らなかったけど、お兄ちゃんがその人のことを凄く好きなのは、誇らしげで嬉しそうな顔で話しているから僕にも伝わってきました。
 そんなお兄ちゃんを見てると、幸せならそれでいいやと思いました。
「あの人が、お兄ちゃんの彼氏なんだ」
「うーん、正確にはお兄ちゃんが彼氏、だよ」
「どう違うの?」
 お兄ちゃんはクスッと笑って、問い返す僕の頭を優しく撫ぜながら
「大きくなったら判るよ」
 それ以上は答えてくれなかったけど、笑っているお兄ちゃんは自信に満ちていて、なんだか何時もより頼もしく見えました。
 きっと愛の力なんだろうな。
 お兄ちゃん、ずっと仲良く幸せでいてね。

 愛には性別や見た目や体格なんか関係無い、と僕が知るのはもう少し先になってからだった。
 その時、さらに兄が偉大に見えた。