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クール←熱血

「好きだ!」

突き抜けるような青空の下、永井は叫んだ。
目の前にはぽかんとした顔の幼なじみの浅島。

「…は?」

とりあえず何かを返そうとしての言葉に、思わずうなだれそうになる。
だがどうにか自分を奮い立たせることに成功した永井は、いつもと同じ笑顔で浅島を見た。
銀縁眼鏡の向こうで、珍しく視線が泳ぐ。

わかっていた。
何しろ、長い付き合いだ。
彼が自分をどう思っているのかなど、痛いほどにわかりきっていた。

「お前は、いったい何を言ってるんだ」
「俺がお前を好きだっていう自己主張だけど?」
「…アホか」

呆れた表情に、いつもの浅島の雰囲気が戻ってくる。
けして肯定的ではない返事なのにもかかわらず、それは永井を嬉しくさせた。

「うん、いいんだ。お前が俺を友達としてしか思ってないのなんかわかってるから」
「永井」
「だから、お前が俺を好きになるようにするから!」
「…どうやって?」

やや冷たい浅島の声に、永井が固まる。

「と、とにかくどうにかして!」
「計画性ゼロか」
「えっと、とりあえず、浅島の好みのタイプって?」
「背が低くてふわふわしたロングヘアの色白の女の子」

間髪入れずに言われた、性別含めまさに正反対の答え。
だがそれにもめげず、永井は浅島を正面から見据えて笑った。

「見てろよ、全部塗り替えてやるからな!」
「無理だろ」
「無理じゃない!俺、頑張るからな!」

言うだけ言って、その場から走り去ってしまった永井の背中を見送りながら、浅島は小さくため息をついた。

「ひとつ言い忘れたな…笑顔が似合う、って」

だから全部塗り替えるのは無理だろうが、とつぶやきながら、彼は薄く笑った。