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マイクテスト

「あーあー、マイクテストマイクテスト。体育館聞こえてるー?」
テストだと名言しているにも関わらず、体育館の中で文化祭の準備をしている生徒からイェーイ!と歓声が上がった。
文化祭ももう明日、ってこともあって振り切れてるヤツが多いんだろうと思ったけれどそう騒ぐ性格でもない俺は驚くだけ。
隣で暗幕の準備をしていた高橋も、呆れた顔だった。
マイクテストをしていたのはステージの内側にある放送室からだろうから姿は見えない。
けど、その声が知り合いのものだからって事もあるんだと思う。
「…あの声って」
「桜田だろ?あいつ放送担当だったし」
だよな、と高橋が相槌を打って、溜息混じりに視線を手元に置いていた暗幕へ戻した。
その間も桜田は放送室から適当な事を喋り続けている。テストにしては長いだろ、これ。
「マイクテストー、体育館音量大丈夫?愛してるよー!」
「ばっ…!」
俺としてはまた桜田は適当な事を、としか思わなかったけれど、隣の高橋は違ったらしい。
勢い良く顔を上げて、見えない放送室の方へ何か言いたげに口をぱくぱくさせた。慌てて何も言えてないけど。
「……えーと、高橋?」
何。何で、『愛してる』で真っ赤になるの?