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妻子持ち×変態

通話を終了して携帯電話をテーブルに置く。と、ベッドの方からくぐもった声がした。
「奥さん?」
「……起きてたのか」
「気ィ失ったままだと思ってた? あ、だから普通に喋ってたんだ」
毛布にくるまったまま、にやにや笑っている。
「なんでこの時間に電話……ああ、今の時間って会社の昼休みか」
「……」
「奥さん何の用だった?今日は早く帰ってきてね、ってラブコール?」
「お前には関係無い」
「まさか旦那が仕事抜け出して昼間から男を抱いてるとは思ってないだろうなぁ」
睨みつける。
しかし悪びれた様子もなく「俺なら夢にも思わない」と頷いている。
「ねえ、奥さんからの電話が十二時過ぎにかかってきてたらどうしてた?」
「知らん」
「ヤってる最中でも誰からかは分かるよね、着メロ違うから」
「……いつから起きてた」
「もし今度そういうシチュエーションになったらさ、
 『電話に出ないで今は俺だけを見て』って泣きながら健気にお願いしてやるよ」
「馬鹿なことを」
「俺が泣いたらアンタいつもがっついて来るじゃん。俺の泣き顔が好きなんだろ?」
「ふざけ――」
「やっぱり奥さんと娘さんが一番大事?」
怒鳴りかけた言葉が喉元で止まった。
「ちなみに俺はね、アンタが家族と俺を天秤に乗っけて悩んでるときの表情が一番クる」
そう今みたいな感じの、とこちらを指差すその顔は楽しそうだった。