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日曜大工

ぎこぎこぎこぎこ
「…あれ??」
がんがんがんがん
「…あれ???」

時間経過に比例して徐々に増えていく疑問符。
だから止めておけと言ったんだ。
「材料は揃ってるんだから作ってみる!」なんて言っても、カレーと本棚とじゃ訳が違う、と。
おまけに設計図も無し。
あいつは頭の中に本棚を描き、それっぽいパーツの形に板を切り出し、それっぽく適当な釘を打って組み立てる。
『緻密な計算』『綿密な計画』なんて言葉はあいつの辞書にはきっと載っていない。だってバカだから。

「……~~!!!」

どすっ、と鈍い音がして、あいつが突然カナズチを放りだしてうずくまる。また指を叩いたらしい。
「…もう止めたら?」
「止めないっ!」
がばっ、と身を起こして作業続行。そしてやっぱり「あれ?」と首を傾げる。
心なしか先程より渋い顔。事態は深刻化しているらしい。
「…あーあ、やるコト大雑把すぎっから」
「るせー!何とかなる…や、何とかするんだよこれから!」
「強情っ張り」
「ほっとけ!」
拗ねたようにむくれて再びカナヅチを手にする。

さて、あいつが素直に「手伝って」と言ってくるのが先か、材料が木っ端みじんになるのが先か、それとも奇跡的に本棚が完成するか。

「…ま、どうでもいいけど」

無関心を装って呟いてきつつ、何となく『完成すればいいな』なんて思ってしまう。

本棚と言い張れなくもない不格好なシロモノをなんとか一人で組み上げて自慢げに笑うあいつの顔、実は物凄く見てみたかったりするのだ。

「…やべ、こっち切りすぎてる…」
「リタイア?」
「なっ!だ、誰がするかっ!こんなのは反対を切り落とせば…!」
ごまかすように作業を再開したあいつの背中に向けて、柄にもなく笑って「頑張れ」と小声で応援してみた。