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年賀状を書きながら

「明けましておめでとう。今年も・・・よろしく・・・か。」

なんとも短く愛想の無い文面を見つめるが、他の言葉が浮かばない。
何故ならこの手塚智弥と俺は、今まで3回程度しか話した事がない。
同じバンドが好きで、同じクラス、席が斜め前って事くらいしか近しい記憶はない。
話しかけるタイミングだって逃してばっか・・・8ヶ月で話した記憶が3回て・・・

「年賀状出しても、俺のこと知らないんじゃねぇか?」

最悪の予感がよぎる・・・っていうかあいつ、俺の名前知ってるのか?
俺なんて名前どころか顔すら思い出せない程度の存在なんじゃないかとも思う。

「あああああーーーー冬休み前にもっとアピっとけば良かったああああ・・・」

あのバンド、年明けにアルバム出すんだよな。
2月には武道館でライブもあるし、行けたらいいよなー・・・って、話題あんじゃん。
もう新学期まで会えないのに・・・ヘタレすぎだろ俺。

あーあ、うるせーな携帯のヤロー。チャラチャラ鳴ってんじゃねーよ!
イタズラメールだったら・・・・・殺す!!!!!!!!
イライラ最高潮の俺だったのに、見慣れないアドレスとやけに丁寧な文面を見て、指先が震えた。

「こんにちは、手塚智弥です。分かるかな?
青田から山本がRoseのファンって聞いて、色々話したくてメアド聞いたんだ。」

その後に延々続くバカ丁寧なメールを何度も何度も読み返して、忘れて机に向かった。
落ち着きたくて机に向かい、形式的な年賀状を書きながらも俺は。

あの心いっぱいのメールになんて返そうか・・・どうしても、そればかり考えてしまうのだ。