けんだま

「あーだめだって、そこだけは。絶対だめ!!」

そもそも、ちょっとした好奇心だった。
あいつが絶対にそこだけは開けさせないから。
キツめのエロ本かAVでも入ってるのかと思ってた。
見つけてちょっとからかってやるつもりで、
あいつが目を離した隙にその引出しを開けた。


でも、中に入ってたのは古ぼけたけんだま。
それから、おもちゃのピストルとビッ●リマンシール。

「これって、もしかして…」
「……だから、おまえにだけは見られたくなかったんだよっっ!!」

そう、それはまだほんのガキだった俺があいつにあげたものばかりで。
こんなに大事にしてくれてるなんて、知らなかった。

「女々しいだろ、もらったものずっと大事にしまってるなんてさ。」

真っ赤になりながらそう言うおまえのことを俺は思わず抱きしめた。

「実は俺も、おまえがくれたサッカーボールもうボロボロだけど捨てずに置いてる。」


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2012年02月09日 17:45