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哀愁漂う背中

「娘さんご結婚、おめでとうございます」
「ああ…」
「寂しくなりますね」
「ああ…」
晴れやかな式のはずなのに、貴方の顔色は優れない。
まあ、死んだ奥さんの忘れ形見を、何処の馬の骨とも知れない男にもってかれちゃぁな。
丸まった背中が、貴方の姿を実年齢よりより老けたように見せる。
寂しい…そんな言葉が背中から聞こえてきた。
「君みたいな好青年だったら、娘を安心して嫁に出せたんだがな…」
「そうですか?案外ああいうチャラけた奴のほうが、純粋で真面目だったりするんですよ?」
「あはは…」
力なく笑った目じりの皺が、愛らしい。

「第二の人生スタートですね」
「もう、そんな気力ないよ」
「何言ってんですか、今時のアラフィフなんて俺たちの世代より元気じゃないですか」
「そうかい?」
「ええ、だから」
骨ばった貴方の手を握る。

「もう一度、恋、してみませんか?」