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←攻←受に見せ掛けた攻→受→

入学早々俺に愛の告白をかましてきやがった小さな後輩。
周りはカップルだとか夫婦だとか冷やかすし、冷やかされる原因を作った本人は満更でもない表情。
昼休みになればいつも俺のクラスにやってくるし、帰りは下駄箱で待ち伏せ。
しかし人間の順応性というのは怖いもので、一年もたてばこれが当たり前のことになってしまうのだ。
今日も当たり前の例に漏れず、俺は一学年下のネクタイをした男と向かい合って弁当を広げた。
「せんぱーい、聞いてくださいよ、今日電車で可愛い子を発見したんですよー!茶髪の巻き毛で」
「残念だが俺は黒髪ロングの子が好みだ。大和撫子万歳」
「え、じゃあB組の伊藤みたいな子が好みなんですか?」
「伊藤?」
「こないだ俺の隣のクラスに転校してきたんすよ。黒髪ロングの文武両道、先輩の好みにぴったり合致」
「そりゃさぞ可愛いんだろうな。いいな……。」
「せ、先輩浮気ですか!?ここに正妻がいるじゃないですか!」
「誰がだ」
「もちろん俺です!先輩!抱いて!」
「だが断る!お前なんかに興奮するか、俺は黒髪ロングの美人が好みなんだ、好きなんだ」
嘘付け。本当はドキッとしたくせに。
あの細い体を掻き抱いたらどんなに満たされるか、分かってるくせに。
それでも俺があいつの告白を受け流せるのは、あいつの愛の言葉が全て嘘だとわかっているから。
俺は知っている。あいつが帰り道俺と別れた後向かう場所を。会っている人を。している行為を。
あいつが本当に愛しているのは、その人だということを。
俺が、その人に似ていると言うことも。
(俺もお前のことが好きだなんて、俺だけ本気になってしまったなんて、絶対に言えない)