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チョコレート×マシュマロ

冷え切った俺の体と心は、カチカチに固まっていた。
けれどそれは、強い力が加わればたちまちぽきりと折れてしまう脆さでもあった。
そんな俺と一緒になりたいと言うのか。その汚れない身を汚してまでも?
「君が僕を貫いてくれればいい」
恐れを知らぬ眼差しで彼は言った。
「もしくは、僕を潰してくれ。その腕で力一杯抱きしめて」
「馬鹿を言うな、俺は一人が気に入ってるんだ
それに簡単じゃないぞ、そんなことしたらお前は元のお前じゃなくなる」
拒んだ。たとえようもなく惹かれる気持ちを押し殺して。
なのに、彼は晴れやかに笑うんだ。
「いいんだよ。確かに僕は元の僕じゃなくなるだろう、そして君も。
でもそれが今より良くないなんて、どうして思うの?」
なんのためらいもなく、白い手が差し出される。
「馬鹿、俺にさわるな」
「どうして?」
小首を傾げた。すべてを受け入れる柔らかな声。
「優しくされるのが怖い? ……僕は、君とひとつになりたい」
思わずよろめいた。言葉は、俺というかたくなな塊を溶かすのに十分な熱を秘めていた。
もはや虚勢は崩れた。俺は両手で顔を覆う。
「……お前を汚したくないんだ」
柔らかい肌が、そっと寄り添う。だめだ、だめだ、俺にさわっては……
「僕は汚れることなんかちっとも構わない……ううん、汚れたなんて思わないよ」
彼は俺を包み込んだ。
俺の指が、頬が……すべてが、彼の中に飲み込まれていく。
暖かい体温に全身が溶かされていく。
ああ、そうだ、と遠い記憶がよみがえる。原始の記憶。形もなく、無垢で純粋だったあの頃……
もはや俺なのか彼なのか、その境は判然とせず、俺は彼の中に。彼は俺を中にはらんで。
彼の舌が淫靡な音をたてて俺を吸う。
「思ったとおりだ……君はとても、甘い」
口元をドロドロに汚して、恍惚とあえいだ。