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大嫌いだけど…仕方がない

「大事な話があるから早く帰ってきてね」普段わがままを言わない受けが
そう言ったから今日だけは急いで帰りたかったのに、そんな時に限って
ミスが発覚して、後始末に時間が掛かってしまった。
もうそろそろ日付も変わろうかという時間だし、夜に弱い受けはもう眠って
しまっただろう。明日は早起きして謝ってから改めて話を聞こう。
そう思ってもう寝ているだろう受けを起こさないようにそっと家に入る。
「ただいま」
小声で言いながら靴を脱ぐと、リビングからガタガタと音をさせながら
足取りの覚束ない受けが顔を出した。
「おかえり、攻め!」
明らかに眠そうな顔で抱きつかれて、そんなにまでして待っててくれたのかと
嬉しさと申し訳なさが入り交じった気持ちで、もう一度ただいまと言った。
「遅くなってごめんな」
「いいよ、今日中に帰って来たから許してあげる。それよりこっちに来てよ」
ぐいぐいと引っ張られるままにリビングに行くと、そこには思いがけない物が
置いてあった。
焦げたり崩れたりして明らかに見栄えが悪いが、俺の好物と思われる物体。
これを受けが作ったんだろうか?不器用で卵すらまともに焼けない受けが…

「下手でごめんね…でも攻めの為に頑張ったんだよ。ほら、ケーキもあるんだ」
そう言って取り出された微妙に白くないケーキには、歪んで何やらエロい形に
なってしまったピンクのハートが描かれていた。
「攻め、誕生日おめでとう!大好きだよ」
これは…食べなければなるまい。
甘いものは苦手だが、そんな事は言っていられない。受けの愛が死ぬほど
こもった手料理だ。残す訳にはいかない。
本当に死ぬほど大嫌いだが、今回は仕方ない。これで死ぬなら男として本望だ。
そう心を決めながら、受けをそっと抱きしめる。
「ありがとう受け。本当に嬉しいよ」
優しく頬にキスすると、幸せそうに笑った受けが小声で囁いた。
「あのね、攻めが甘いもの嫌いだから、ケーキには砂糖の代わりに塩を入れたんだ。
だから攻めも食べられるよ。甘くないから大丈夫」
……うん、大丈夫。これで死ぬなら本望だ。愛してるよ受け。

あれ?何だろう、目からしょっぱいものが…