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神を信じる人と無神論者

一心に祈りを捧げるその背中に剣を突き立てたらどんな顔をするだろう。
嘆くか、怒るか。その両方か。
神の家と呼ばれるこの場所で、血を流すことに対して。
あるいは穢れを。暴力を。
この世の人間のありとあらゆる欲に蓋をして生きているようなこの男は、自分の末期ですらもそうするのだろうか。
見てみたい、と思った。
人間が勝手に作り出した神という偶像を信じ続けて、そのまま死んでいくのか。それとも。
それとも。
「おや、どうしました、こんな時間に」
「あんたの顔が急に見たくなってさ」
「それは……喜んでいいのやら、悪いのやら」
困ったように浮かべられる、それでも穏やかな微笑みは同じ神とやらを信じる人間に向けるそれと何ら変わらない。
所詮は俺も大多数の、誰かが作り出した神とやらに救われるべき哀れな生き物だということか。
全く、反吐が出る。
「折角ここまで来たのですから、お祈りをされては?」
口を開けばいつも通りの文句。正面から斬りつければこいつは、裏切られたと思うのだろうか。
悲しみに歪む顔が見たい。苦しみでも怒りでもいい。
神とやらを介してではなく、俺という一人がその両眼に映るのなら。