※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

で、どうする?

「ま、待て。ちょっと待て!」
俺は近づいてくる唇を手で塞いだ。手の下でくぐもった声がなにかしらのことを呟く。
濡れ場に突入する寸前の所で止められ、いつもニコニコと気のいい親友は明らかに機嫌を損ねた顔をしている。
酒癖悪いなあ、コイツ。
口を塞ぐ俺の両手を無理矢理引き剥がし、フローリングに押しつけて頭の上で固定した。
じたばたあがくが、上から遠慮なく体重がかけられた手首の拘束を解けるはずもない。
標本にされる虫の気持ちがわかる気がすると言うのは言い過ぎかな。
「手が痛え」
「うるせえ。黙って押し倒されてろ」
いつもとは人が変わったような荒々しい手つきで制服のボタンを外す親友を刺激しないよう、やんわりと話しかける。
「なぁ、お前なんか溜まってんの?いや性欲以外で。相談乗ってやってもいいぞ」
ぐだぐだと言う俺の口を唇が塞いだ。
「ん…」
口内でビールと日本酒の香りが混ざり合う。飲みすぎたかもしれない。
大学の合格祝いぐらいは未成年飲酒も見逃されてしかるべきだ。
と言うつもりはないが、飲まずにはいられなかった。卒業後、俺は北の大地へ飛び立つ。
コイツの第一志望は俺の大学に程近い国立大だが、コイツの頭では到底ムリだと言われている。三年間の腐れ縁ともお別れってことだな。
口の中を動き回る舌に自分の舌を絡み付かせた。舌の裏を舐めあげ、前歯の裏に舌を這わせる。
三年間ずっと好きだった。
俺はれろれろと舌を絡ませるのに夢中になる。
「ッ…はぁ」
唇が離れた。
ディープなキスに体の力と思考を奪われ、ぼんやりとしていると、シャツの合わせ目から手が侵入してきて乳首を軽く摘んだ。
「んッ!」
思わず漏れた甘い声に、奴がニヤニヤしながら真っ赤に染まった俺の顔を覗き込んだ。
「お前、乳首が好きなんだな」
おっしゃる通り。誰に教え込まれた訳でもないが、俺は男なのに乳首を弄られるのに弱いんだ。
見て見ないふりしてくれればいいものを、ねちこくねちこく舐めたり噛んだりつねったり…。
俺が乳首責めが好きな変態なら、そんな俺が泣いて許しを乞うまで男の胸を弄り倒したコイツだって立派な変態だ。
「で、どうする?」
「……もっと触れよ…」
つまりは割れ鍋に閉じ蓋ってヤツだ。
「愛してるよ」
俺も勢いでクサイセリフ言っちゃうお前を愛してるよ。
で、これ酔いが覚めた後はどうする?
で、コイツがまかり間違って第一志望に合格しちゃったらどうする?
……どうしよっかね…。
国公立入試まであと○ヵ月。