※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

胸責め

「……おい」
低く咎める声を無視して、更に行為を続ける。しつこく、集中的に。
言葉で言ってもきかないのならば行動で、とばかりに嬲る手に爪が立てられた。
「爪、立てないで下さい」
「立てるな、っじゃねーよ…! てめ…いい加減、やめ、ろ!」
腕の中の彼が、振り返って私を睨んだ。
鋭い目付き。しかし目尻は赤らみ、目もすっかり潤んでいる。
「やめて、どうして欲しいんです?」
わざととぼけて返すと、彼は唇を噛み、再び私を睨みつけた。
プライドの高い彼は、決して私にその先を強請ろうとはしないだろう。
例えどんなに身体が、胸以外の部分へと刺激を欲しがっていても。
「う…っ」
右手で、突起を押しつぶしてやる。彼は息を飲み込み、俯いた。
目の前の首筋に浮かぶ汗を舐め取ると、彼の背中が小さく跳ねる。
「…も、やめ……い、た…」
「痛い?」
漏らされた声に問い返す。彼は頷きを繰り返し、痛いと再び小さく呟いた。
そういえば随分と長く弄っているから、敏感になり過ぎたそこは赤く腫れているようにも見える。
もう焦らすのはやめようかとも思ったが、直ぐにその考えを打ち消した。
今までは彼の思いを先読みし、満足させることを優先してきた。
でも今日は違う。今日こそは彼に強請らせたい、そう決めていた。
「……っあ?」
彼の身体の向きを変えさせ、ベッドへと組み敷いた。
ようやく違う刺激を与えられると思ったのか。彼が幾分安堵した表情を浮かべる。
しかしその表情も、私が左胸に舌を這わせた途端、おそらく打ち消されただろう。
非難の声と共に、彼の手が私の髪を掴んだ。
まだだ、まだ解放しない。この一点への愛撫は。
早く言えば良い。先を強請る言葉を。私を欲しがる言葉を。

彼が涙の滲む声で私の望む言葉を口にしたのは、それから十数分後の事だった。