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殺人鬼×医者

殺人鬼は病的に人を殺さずにはいられない。
ある日負傷していた殺人鬼を、医者は性分ゆえに助ける。
彼はかつて恋人を目の前で失った。その犯人は殺人鬼とは別人だが、
彼は心のどこかで殺人という行為を憎んでいる。
しかし、殺人鬼は助かり、医者を殺すことなく出て行く。
それからしばしば負傷するたびに医者のところへくるようになる。
医者は医者ゆえに、殺人鬼の病的なまでの殺人衝動が、彼の幼年期の記憶にあることを見抜く。
そして彼は殺人鬼に対して、情が沸きはじめていることに気づく。
医者は前よりも熱心に、殺人鬼に殺人を止めるよう忠告を繰り返す。
ある日、医者は忠告が無駄だと気づき、無言で彼を抱きしめ、彼の中の破滅的な不安を癒そうと試みた。
殺人鬼はそんなことをされたことがなく、どうしたらいいのか分からず、
反射的に殺そうと医者の首を絞める。医者は抵抗せずに微笑み殺人鬼を見上げる。
殺人鬼の口から悲鳴がほとばしり、医者は解放されせきこむ。
しかしすぐうずくまる殺人鬼を抱きしめてやるのが先決だった。
殺人鬼は医者を振り払い、顔をおおったまま震えてうずくまる。
医者がもう一度近づこうとしたとき、殺人鬼は医者を押し倒し、ナイフをかざした。
下敷きになった医者は殺人鬼の額にかかった髪をかきあげてやり、説くように笑う。
「俺はお前が好きだよ。何もしないから、殺す前に俺がおまえにやってみたことをやってごらん」
殺人鬼はぎこちなくゆっくりと、医者を抱きしめてみた。彼は愛し方をしらなかった。
医者はそのことに気づいていた。殺人鬼を抱きしめ返す。殺人鬼の重みが心地よく彼にかかる。
医者は祈るように自分から、殺人鬼に口づける。