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今日で五年目

吸い込まれる人、人、人、人。
吐き出される人、人、人、人。
毎日、毎日、繰り返される風景。
駅の前に、ボクは佇む。

春、夏、秋、冬、春、夏…何度繰り返したかな?
今日は晴れで、昨日は雨。その前も雨で、その前は曇り。
明日はきっと晴れで、その次の日は、曇りだったかな。
ボクは毎日、ここに来る。

通り過ぎていく人たち。
誰もボクを見ないし、ボクも誰をも見てはいない。
誰にも気に留められなくなるくらい、ボクはこうしているのだろう。
ただ、そこにいて、ただ、そこで待っている。
待っている。
ずっと待っている。

帰りを待っている。

きっと帰ってくる。
ボクは信じている。
ボクだけはずっと。

だって、おかしいじゃないか。
どうして死んだなんて言うのか。
遺体もないのに。
信じられるわけがない。
どうしてお墓があるの。
中はからっぽなのに、おかしいじゃないか。
なんで泣くの。
彼のために、何を悲しむの。

わからないよ。

ただいまって言うときの、あの笑顔をまだ覚えている。
それを信じて待っている。

まだ、まだまだ、待っていられるんだ。
だからお願いだよ、新しい真実はいらない。
探さないでいい。知らせないでいい。
ボクは、待っているんだから。