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人形のような男

何を話しかけても、奴はただ『返事』しかしない。
俺が何をしても、奴はただ『受け入れる』事しかしない。

俺の話す事を『聞く』事もしなければ、俺のすることを『拒絶』することもない。
身体は俺の側にあっても、心は俺の傍にはない。

溜め息をつきながら、彼の髪を手で梳いた。
さらさらと、俺の手から零れ落ちる彼の髪の毛。
まるで今の俺の気持ちのようで、酷くいらいらする。

唇を奪い、―窒息させるかのように―深く口付けた。

奴が苦しんでいるのが分かる。
くぐもった呻き声が、助けを求めるように漏れる。

唇を離してそいつの顔を見ると、目がうつろに宙を見ているのが分かった。

きっと、その瞳は俺を映してなどいないのだろう。