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バッドエンドフラグ成立の瞬間

「でも俺、お前の絵は本気ですごいと思うんだよ!なんつーか…本物って感じ。」
俺の熱意に一瞬たじろいで、そのあと、初めてお前は笑顔を見せてくれた。
…あの時だっていうのか、お前の中で何かが蠢きだしたのが。

体が痺れて、触れられても感じ取れない。優しく掴まれたのか、乱暴に捻り上げられたのか。深皿にぽたりぽたりと溜まっていく赤い液体を見ても、それが自分の体から出ている感覚がない。
「だって…もう君しか残ってないんだよ。僕の大切なもの。」
お前の声が、やけにでっかく、頭に響いて聞こえる。
俺に褒められて、本当に嬉しかった。あの絵は自分の血を使って描いた初めての大事な絵だったから。でも、それからもさらに「本物」の絵を描き続けるためには、材料を追求し続けなければならなかった。…
「『痛み』を伴う材料じゃないと、本物にはならないんだ、どうしても。ところが自分の体を削っても、もう僕は痛くも何ともない。…別の大切なものも、使い切ってしまったんだよ。だから」
一番大切な君を使うしかないんだ、と耳元でささやかれる。
だんだん、視界が暗くなっていく。俺は…。
せめて最後の瞬間まで、お前の絵を目に焼き付けていたい、そう思った。