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受で夫・攻で妻

「お前…アレだな、パ○パタ○マ。」

ガーガー掃除機を掛けていた僕は思わず手を止めた。
「は?」
何?なんか言った?と、問い返すと少し大きな声で、
「お前、パ○パタ○マみたいだな。」
と言った。
僕は掃除機を掛けるポーズのままフリーズし、
ベランダで喫煙中の彼を目を丸くしてまじまじと見つめた。
そのときの僕の頭には昔よく見聞きしたあの歌と映像がこれでもかと流れていて…
(パー○パタ○マー パー○パタ○マー)
「…ぅ、ウソだっ!!な、なんでっ?!」
ガシャッと掃除機から手を放して、動揺しまくりカミまくりで彼を問い詰めた。
肩を掴まれた彼ときたら、大げさな…という顔で片眉を上げ、服に灰が落ちないよう
煙草を遠ざける。
「ね…なん、なんで?」
もう一度聞いた。
「なんかねえ…今お前見ててふと思ったの。」
「…………」
そりゃ僕は元々綺麗好きだけど…
パ○パタ○マは酷すぎる…
「つーかあなたが何もしないからじゃん!」
「や、俺こういうの苦手だし。」
「………………」
甘やかしすぎたか…と心の中で毒づく。
以前、あまりにも何もしない彼に腹を立て、お灸を据えるつもりで
掃除洗濯炊事の家事全般を放棄してみたことがあったのだが、
1日経っても、3日経っても彼は何もせず、危うく
やっとふたりで借りた新居を廃墟にされそうになった。
それ以来、僕は彼に対して家事を求めるのを諦めた…
というか、僕たちが円満である為には僕がやるしかない!という究極の答えに達したのだ。
(ちなみにその3日間、彼は一日一食カロリーメイトで過ごしていた。ある意味感心した。)
「まぁ頑張ってちょーだい。俺、出掛ける仕度してくるから。」
僕が回想してる間に彼は煙草を吸い終えて、さっさと部屋に入っていってしまった。
「支度って何すんだよ!」
「いろいろ~。」
いろいろってなんだよ!つーかどこの女だよ!
ツッコミたいことは山ほどあるけど、掃除も終わらせなきゃならない。
僕は黙って掃除を再開した。
その後、もちろん僕の用意した昼ごはんを仲良く完食して、僕が運転する車で買い物に出掛けた。

夕食の片づけを終えて、お風呂にお湯を落として…リビングを覗くと彼が借りてきたDVDを
ひとりで鑑賞中。
つーか声かけろよ……もうこんなことはしょっちゅうなので口には出さないが。
静かに隣りに座る。
その映画はこの前ヒットした恋愛ものだった。
(僕はアクションものが好きなんだけど…意外にロマンチストなんだよね、この人…)
とはいえ、恋愛もの。ついついムードに流されて僕たちもいい感じ。
流行の女優、最大の見せ場をほっといてキスしようとしたその時…
バシャァ、と言う音がしてふたり閉じていた目をパチっと大きく開けた。
「ああ!お風呂かけっぱだったっ!!」
ドタドタと風呂場に駆け込む。
後ろから、
「お前、それマジでパ○パタ○マっっ…」
とゲラゲラ笑う声が聞こえてきて…
いろいろ聞きたいことは山ほどあるけど、
それでもやっぱり僕は黙ってお湯を止めた。