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背の高いひまわり

「とうとう君に抜かれちゃったなァ。」
真夜中、小柄な少年は僕に水をくれながら笑う。
言葉もなにも持ってないから
僕は想うだけだけど
僕は君が大好きで誰より感謝してる。
僕は君に種を植えてもらった。
沢山の水を与えてくれて、
毎日笑いかけてくれた。
日当たりの良いところに埋めて貰えた。
僕はなにかを君に返したい。
けれど、僕は薔薇のように美しくなんてないし
椿のように甘くないし
ラベンダーのような香りも持っていない。
ただのしがない背高のっぽのひまわりで
夏が終わる頃には首をもたげ死んでいく。
それまでに、なにかを。
君に僕の精一杯のなにかを返したい。
けれどもそれすら思いつかない僕は
本当にふがいない。

「ねぇ親友。
 僕はね皮膚の病気で一度もみたことがないんだ。
 でも君を見ていたら太陽っていうものがなんとなく分かるよ。
 君を見てると元気になるんだ。
 今年君が死んでも君が残した沢山の種で、
 来年はここにいっぱいの太陽ができる。
 僕だけの太陽だ!」

ああ、僕は泣くことすらできないけど、
ありがとうと伝えることも出来ないけど
それでもひとすじの風が吹いたので
こくんとはうなずけたかもしれない。