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本当にそれでいいの?

「へえ、アイツと、ねえ……」
「お前には、言っとかなきゃなんねえかな、と思って」
「何で?」
「……付き合い長いし、アイツの親友はお前だし」
「そっか」
俺がアンタを好きだって知ってたからだろ。諦めろって暗に言ってんだろ。
言い訳みたいな、無理矢理に理屈付けるような、そんな理由は要らないんだよ。
「じゃあ、奪うしかないんだ?」
「……何をだよ?」
アンタは笑って、でも震えるような声でそう言う。
「アンタを」
「馬鹿言ってんなよ」
誤魔化したいんだろ。俺の気持ちも言葉も、なかったことにしてアイツといたいんだろ。させるかよ。
「本当に、アイツでいいの?」
「……いいよ」
言葉に混じる躊躇い。俺を切り棄てたくても棄てられない。俺はアンタの友達で、アイツの親友だから。
仲がいいから知ってる。アンタの弱点。アイツもそこを狙ってアンタを自分のものにした。
アイツのことも俺のことも、裏切れない。どっちも放せない。大事だから。放したら傷付くから。
でも俺には、アイツのものになったアンタと友達でいる気なんてさらさらない。
「ねえ、本当にそれでいいの?」
「いいっつってんだろ!しつけえぞ!」
「俺じゃなくて、アイツで本当にいいって思ってんの?」
腕を掴んで引き寄せて耳元で脅すように呟くと、アンタの身体が一度ビクリと震えたのが、手に伝わった。