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攻めを泣かせる受け

雲ひとつない青ばかりが続く空。
日照りはじりじりとアスファルトを燃やしゆらゆらと陽炎を作る。
その上を二人の少年が歩いてきた。
小さなランドセルに大きな体の少年が泣いている。
「ひっく、ひっく」
「泣くなよ。男だろ!でかい図体しやがって情けない!」
同じランドセルでも体格で随分と大きく見える。小柄で良く焼けた肌の少年が叱咤した。
「だってそれ、痛いよ。」
「舐めときゃ治る。馬鹿にすんな。」
左足に大きな擦り傷。どうやら派手に転んだらしい。
「治んないよ!病院いこうよ!
 だから真っ暗森の探検なんてやめようっていったんだよう!」
「うるせーな!お前だって乗り気だったじゃねえか!」
「だって行かないって言ったらあーちゃんが僕を嫌うと思ったんだもん!」
「・・・な!・・・あーそうだぞ!嫌うぞ!ちなみに今泣き止まなくても嫌うからな!!」
そう叫ぶと一人歩調を早め、ずかずかと歩き出した。
大柄な少年はひぐっ、と喉をつまらせ我慢をしようとしたが
その行為は余計感情をかきたたせる結果となった。
それでも必死で着いて行こうと泣きながら歩調を速める。
後ろから少年のしゃくり上げる声が響く。
「・・・俺が泣かせたわけじゃないからな」
「俺じゃないからな。お前が勝手に泣いたんだ。」
頷きながらも泣き止まない。小柄な少年はぴたりと止まって振り向いた。
「・・・俺のせい?」
少しびっくりしたように大柄な少年がぱちくりと目を見開いき首をぶんぶんと横にふった。
ほっとしたような困惑したような表情を見せて少年の手を掴んだ。
「しっかり握っとけ。お前ほっとくとすぐ迷子になるからな。
 お前俺がいないとほんとに駄目だからな。離れんなよ。」
掴まれた手を握り返して今はもう泣いていない顔で笑った。
この大柄な少年を泣かせることができるのも、泣き止ませることができるのも
そして笑顔を与えることができるのも、どうやらこの小柄な少年だけらしい。

高校生になった彼らが、
ベッドの上での泣かせる側と泣かす側の立ち場が逆転するのであったが
それはまた別のお話。