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傍若無人なくせに天然

「傍らに人無きが若し」
「ん?」
「お前のこと。一般的には傍若無人。近くの人にとって迷惑な行動をするって意味」
「俺、迷惑なんかかけてないよ?」
「ほー。よくそんなことが言えるな」
「そりゃ言えるでしょ」
「この間、同じゼミの女の子に何をした?」
「失恋話を聞いてなぐさめた」
「こう言ってな。『あいつ浮気者だよ。この間俺も食われたよ。まだつきあってた時期じゃね?』」
「なんで聞いてるんだよ!」
「聞きたくないのに聞こえたんだよ」
「え? ああ…、いたね。そういえば」
「男に男とられたって、あの後大変だったぞ」
「でも、あれで未練がなくなったはずだ。俺は役にたったと思う」
「そうくるか」
「そうだよ」
「教授たぶらかして、やめさせるし」
「ちょっと待て! 向こうが勝手にやめたんじゃないか!」
「『生徒でいるのがつらい』って言ったからなぁ」
「別れたいって意味だって普通わかるだろ!」
「わかるかよ」
「国文が専門なのに日本語の機微がわからないはずがない」
「へーえ」
「へーえじゃない」
「後輩には貢がせるし」
「勝手にくれたんだってば!」
「雑誌みながら『コレいいね。そう思わない?』って同意求めて?
カード限度額まで借りちゃったぜ、あいつ。どーすんの」
「だってお金持ちのボンボンだと思ってたし」
「金持ちならいいってこともないだろ」
「……そうだけど……」
「ペット不可物件の部屋に住んでる先輩に犬は飼わせるしさァ」
「俺なんも言ってないよ!」
「ペットショップで『こんな犬がいる家だったら毎日でも通っちゃうな…』」
「独り言も禁止?!」
「しかも大家さんにばったり会って『犬に逢いに来たんです』って。馬鹿だろ」
「アレ? そういえば引越したって言ってたのは……?」
「気がつくのが遅いよ」
「えー?!」
「おまえ自覚しろ。お前の行動が周囲の人に多大なる迷惑をかけているということを」
「……お、俺のせいなの?!」
「どう考えてもおまえのせい」
「……意識してやってるわけじゃないし……」
「じゃあ、つきあう人間を少なくしろ」
「ひとりいればいいけど」
「気の毒だけどしょうがないよな。誰だ」

(目の前の人を指差した時、ひきつったような気もしたけど、
ちょっとは嬉しそうな気がしたのは気のせいか?)