女装攻め(notカマ)

幼馴染の家に遊びに来ないかと誘われたのは一時間前。
いらっしゃい、と笑顔で部屋に案内されたのは30分前。
「……で、俺はどうしてこんな格好をしなくちゃいけないんだ?」
「似合ってるよ、ぴったり。すごいぴったり」
「感想は聞いてねえ」
フリルがふんだんに使われたワンピースにニーソックス、ヘッドドレス。所謂メイドさんの格好だ。女の子に着せればよく似合うであろう服。
唯一の問題は、それを男である俺が着ているということ。
「だからなんでこれを俺が着るはめになってるんだ?」
「えー?何となく似合うと思ったから」
「どう考えてもお前のほうが似合うだろ……」
細身の体躯に白い肌。筋肉のついている俺なんかよりもよっぽど着こなしてくれそうだ。
ヘッドドレスを外して幼馴染につけようとするが、頑として受け取ってくれない。
「だめだよ。これは君に着て欲しいんだ」
「なんで」
「……ずっと僕、色々女の子扱いだったからさ、たまには男の子もやってみたいんだ」
だから、と身長差のせいで必然的に上目遣いになる幼馴染を見下ろして、あまりのくだらなさに俺は思わず吹いた。
「お前な……そーゆーところが女の子みたいなんだって」
「ちょ、そーゆーこというなってば!笑うな!僕は大真面目だ!」
必死に俺を押し倒そうとしてる幼馴染の手を掴んで抱き寄せ、そのままベッドにダイブ。
生憎と、俺はまだまだ襲われるつもりはない。というか一生無い。
掴んだままの手にそっとキスを落として、俺は幼馴染に覆いかぶさった。
俺の幼馴染兼恋人は、今日も可愛い。


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最終更新:2009年03月29日 14:50