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二対二

……合コンって、普通もっと人数を集めるべきだろう。
そう思ってしまうのは、現在この場に居るのが男女合わせてたったの四人、
つまり男二人に女二人の、二対二という酷過ぎる状況だからだ。
その上、俺以外のもう一人は顔よし性格よしおまけに仕事は銀行勤めという、非の打ち所のない好青年だ。
今を遡ること二十年、俺とこいつがまだお互い小学生だった頃は、
泣きながら俺の後ばかり付いてきていたというのに、一体どうしてこうなってしまったのか。
まったくもって、時の移ろいのはかなさ空しさばかりを感じてしまう次第だ。
ちなみに向かいの席に座っている女の子二人はどちらも容姿のレベルが高く、ついでにプライドも随分とお高いようだ。
よくて中の下、悪くて下の上のフツメン以下の俺など眼中にも無いようで、二人揃ってヤツのことばかりを虎視眈々と狙っている。
「坂元さんって、東部銀行にお勤めなんですよねぇ?」「すごーい」「ねぇ、かっこいいよねー」
補足しておくと現在の会話量は、女Aが4割、女Bが4割、坂元が2割といったところ。

……え、俺ですか。ソレハキカナイデホシイナー。

すいませんすいません。話しかけられないどころか、こっちからもまともに話せないチキンです。
女の子と遊びたいって愚痴ったら、「じゃあ紹介するよ?」って言われて、喜び勇んでホイホイついて行った結果がこれだよ!
しょうがないです。だってコミュニケーション力がないです。女の子どころか男友達だって、坂元くらいです。
……もうやだ。泣きたい帰りたい。っていうか、坂元は気がきく奴なのに、本当に何で二対二なんだ。
せめてもっと人数多くしてワイワイやるとか、多人数でゲームでもすれば、俺でも場に溶け込めるんじゃないんですか。

    ○       ○

「どうだった? 久しぶりの合コンは」
「もう嫌だ、……っつーか、お前と二人で飲んでる方が気楽だしそっちの方がいい…」
「……本気で言ってる」
「いやまあ、八割くらいは」
「そっかー、そっか、……うん。そうだね、翔ちゃん、女の子苦手だしね~」

あああよかったよかった!彼女欲しいとか言い出してどうしようかと思ったけど作戦成功だよ!!
いいんだよ俺さえ見てれば。俺だけ居ればいいって思ってれば。そのためにわざと居心地悪い空間作ったんだから